ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)照射システム開発ガイドライン2019(手引き)

ガイドラインID 2019-E-DE-053
発出年月日
発出番号
WG名 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)開発ガイドライン WG
制度名 医療機器等開発ガイドライン策定事業(開発ガイドライン)
製品区分 医療機器
分野

ホウ素中性子捕捉療法

GL日本語版ファイル

2019-E-DE-053 ホウ素中性子捕捉療法 BNCT 照射システム開発ガイドライン2019 手引き

英文タイトル
GL英語版ファイル

GL:イントロ・スコープ

1. 序文
1.1 概要
本開発ガイドライン(手引き)は、ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy、以下 BNCT)用加速器型中性子照射装置開発における背景、現状の技術的到達点、運用の制約と課題、開発の方向性などを、評価指針と対応付けながら述べたものである。ここでは、中性子照射装置とその関連品目、設備・施設の中でも、原子炉中性子源ではなく、加速器型中性子照射装置を用いた治療機器が対象であり、その設計から製造、運用に際して、製造業者が留意すべき事項を扱う。BNCT で併用されるホウ素薬剤は医療機器ではないことから、本ガイドラインの対象外とし、その取扱いに関しては、関連学会などから公表される指針などを参照することを推奨する。また、医療機器製造販売承認申請(以下、薬事申請)のための評価項目、試験方法については薬生機審発0523第2号(令和元年5月23日) 「次世代医療機器評価指標の公表について」別紙5 ホウ素中性子捕捉療法用加速器型中性子照射装置システムに関する評価指標を参考にしていただきたい。薬事申請の個別の試験方法や試験結果の妥当性については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の対面助言などを通じて確認することを推奨する。

1.2 想定する利用者
この開発ガイドライン(手引き)で想定する読者は、BNCT 用加速器型中性子照射装置の製品化に従事する企業、大学などの技術者および研究者、意思決定を行う規制当局関係者、臨床研究を行う研究者と関係者、倫理審査委員会の委員と関係者、臨床ガイドラインなどを制定する関連学会の関係者である。放射線治療と放射線治療機器・設備、放射線医学と放射線物理学、放射線障害の防止に関する技術と諸法令、国際標準に関する知識を有していることを前提としているので、この開発ガイドライン(手引き)ではこれらに関する基礎知識の解説は省略している。BNCT の基礎に関しては、APPENDIX 3 参考文献をご参照いただきたい[1]-[3]。


2. 開発の背景
2.1 原理と開発の経緯
(1) 原理
BNCT は、がん細胞に集積したホウ素 10(10B)と熱中性子との核反応によって放出される 2 つの粒子:アルファ線とリチウム原子核(7Li)によってがん細胞選択的にダメージを与える放射線治療である。この治療では、ホウ素薬剤をあらかじめ投与しておき、腫瘍にホウ素が集まったときに中性子線を照射する。ホウ素薬剤の取り込みが少ない正常細胞のダメージは少なく、ホウ素を多く取り込んだ腫瘍細胞内部で飛程が短いアルファ線とリチウム原子核が腫瘍細胞を選択的に殺傷する。ホウ素薬剤の投与と、外部中性子照射を組み合わせることによって、正常組織を温存し、腫瘍のみを選択的に治療できる点が大きな特長である。
(2) BNCT 用原子炉の現状
治療に中性子を用いる BNCT は、これまで研究用原子炉を利用して臨床研究が実施されてきた。国内では、京都大学原子炉実験所(現 京都大学複合原子力科学研究所)の KUR をはじめ、日本原子力研究開発機構の JRR-3、JRR-2、JRR-4、武蔵工業大学(現・東京都市大学)の MuITR などに BNCT 用照射設備が付設され、悪性脳腫瘍や頭頸部がん、悪性黒色腫などに対して多くの臨床研究が実施されてきた[1]-[4]。特に 1990 年代には熱外中性子ビーム(定義は IAEA-TECDOC-1223 参照)を発生できる照射設備が KUR と JRR-4 に整備され、さらに BPA の病巣部への集積を PET で事前診断できるようになるなどの技術的進展があった。これにより悪性脳腫瘍に対しては非開頭照射が可能となり、さらに頭頸部がんや体幹部のがんに対しても応用され、BNCT は飛躍的に進歩した。しかし原子炉型の治療では、治療装置としての原子炉を薬事申請することが困難であるため、臨床研究から一般臨床へ進展できないという困難さがあった。さらに 2011 年の東日本大震災により JRR-4 は廃炉となったため、2019 年現在、原子炉ベースの BNCT が可能な施設は、国内では KUR のみとなっている。
(3) BNCT 用加速器型中性子照射装置の利点
BNCT は原子炉を用いた臨床研究で一定の治療効果が実証されているにもかかわらず、原子炉型の治療では、原子炉自体の薬事承認申請ができないため、医療機器として普及させることが困難であった。この状況に対して、近年の加速器技術の進展により、病院にも併設可能な小型の加速器を使って BNCT に要求される大強度中性子を発生させることが可能となり、この加速器中性子源を用いて治療を行う加速器型 BNCT が現実的となってきた。この BNCT 用加速器型中性子照射装置は、
① 病院内に治療装置を設置して BNCT を院内で実施することができる
② 中性子発生装置を医療機器として薬事承認申請することができ、BNCT を臨床研究の段階から先進医療および薬事承認申請の段階にステップアップすることができる
③ これにより難治性がん、再発がんに対する新しい治療選択肢を提供できる
④ 日本の BNCT 研究が世界をけん引していることから、諸外国に先駆けて BNCT 技術の実用化・商用化を推進できるなどのメリットが期待できるため、日本の医療産業の発展に大きく貢献する可能性がある。また、原則として 1 回照射で治療が完結する利点を活かし、国外のがん患者を日本の BNCT 施設に招いて治療を行うインバウンドの拡大も期待できる。

2.2 BNCT 用加速器型中性子照射装置の構成
現在、国内外で加速器を用いた新しい BNCT 用中性子源の開発研究が行われている。主な方式は、粒子線加速器を用いて平均電流:数 mA~数十 mA の荷電粒子(主に陽子)を数 MeV~30MeV 程度まで加速し、これをベリリウム、リチウム、又はタンタルなどの標的材に照射して二次的に中性子線を発生する方式である。ここで融点が比較的低いリチウム(約 180℃)を用いる場合は、固体リチウムではなく液体リチウムを用いる方式も研究されている。
BNCT 用に提案されている加速器の形式としては大別するとサイクロトロン方式と直線型加速器があり、さらに直線型加速器は、リニアック(RFQ 単独、もしくは、RFQ と DTL を組み合わせたもの)と静電型加速器が用いられている。静電型加速器は加速できるエネルギーが数 MeV である一方で、大電流(平均電流:数十 mA)を加速できるため、主に標的材にリチウムを用いて“2.5MeV 前後×大電流×リチウム”の方式の装置に採用されている。サイクロトロン方式は、小型で容易に大エネルギー(~数十 MeV)まで加速できる一方で、加速できる平均電流値が 2mA 程度までであることから、標的材にベリリウムを用いて、“高エネルギー×小電流×ベリリウム”の方式で中性子線を発生する装置に用いられている。リニアック方式は、リチウムもしくはベリリウムの両方に採用されており、大電流化が可能であるが、高エネルギー化する場合は、加速管が大きくなってしまう。これらの方式に加えて、標的材に照射する粒子として陽子ではなく重陽子(d)を加速してベリリウムに照射して中性子線を発生させる方式も研究されている。さらに中性子線を発生させる方式として(d,d)反応、(d,t)反応の核融合反応を用いる方式も検討されている。表 1 は 2019 年 11 月時点の国内外で研究開発されている BNCT 用加速器型中性子照射装置(核融合反応は除く)を示す。

表 1 国内外で研究開発されている BNCT 用加速器型中性子照射装置 (2019 年 11 月)

2.3 適用範囲
BNCT 用加速器型中性子照射装置の国内外の開発動向を踏まえて、本ガイドラインの適用範囲を表 2 に示す。

表 2 本ガイドラインで対象とする BNCT 用加速器型中性子照射装置の範囲

GL:本体

3. 開発における留意事項
3.1 外照射型放射線治療装置との違い
BNCT では、ホウ素薬剤の分布で決まるホウ素線量が支配的であることから、従来の放射線治療ほどの厳密な外部照射位置精度が不要と考えられている。しかし、1 回照射であっても長時間の照射が必要となるため、患者の治療中の負担を可能な限り減らす配慮が必要となる。中性子線も粒子線の一種であることから、粒子線治療と BNCT の治療法や装置の特性を比較したものを表 3 に示す。また、3.2 以降では、有効性、安全性が評価済みの粒子線治療装置と比較して BNCT 装置固有の論点を抽出し、これらに対して委員の専門的見解を記載した。

表 3 粒子線治療と BNCT の主な違い

3.2 開発および評価の論点
既存の放射線治療との差分から生じる開発上および薬事上の論点に関し、H29 年度次世代医療機器・再生医療等製品評価指標作成事業 BNCT 審査 WG と、H29 年度医療機器等に関する開発ガイドライン(手引き)策定事業 BNCT 開発 WG の双方で議題に挙げられた中から、特に議論された 7 項目を選択し、評価指標との対応付けを行った(表 4)。

表 4 開発ガイドラインの評価項目と評価指標の対応

表 4 に示す各項目について、さらに具体的な評価ポイントを質問形式で設定し、これに対する開発ガイドライン WG の専門家の考えを示した。

3.2.1 投与線量および線量変動
処方線量をどのように決定するか? 1
→1 投与線量:実際に照射された線量(ホウ素線量を含む)。処方線量:治療計画に基づき処方される線量。

1) BNCT 以外の放射線治療では、処方する線量は腫瘍線量で規定されるが、現状の BNCT では正常組織に対する耐容線量によって処方する線量の上限を規定している。加えて照射回数が 1-2 回であるので、放射線治療の中でも、ガンマナイフなどと同様の注意が必要となる。

また、BNCT 用加速器型中性子照射装置には、患者ごとに異なる処方線量に対応可能な照射時間や線量率の制御機能を持つことが求められる。
2) BNCT の線量は、外部照射による非ホウ素線量(窒素、水素、γ 線量)と、ホウ素濃度分布に依存するホウ素線量からなる。しかし、腫瘍内のホウ素濃度を照射中に正確に測定する方法は確立されていないため、現状では照射前の血中ホウ素濃度とあらかじめ決定した T/B 比から腫瘍内ホウ素濃度を推定する。ただし、主に間質成分の多寡による腫瘍内ホウ素分布の不均一を含んだ測定なので、腫瘍細胞内ホウ素濃度を厳密に予測するものではない点に注意が必要である。

投与線量を評価することは必要か?
1) BNCT では、事後評価は行わない。しかし、他の放射線治療成績との比較において腫瘍への投与線量は重要な判断材料である。評価方法としては、放射化箔設置により患部表面の放射線(熱中性子、γ 線)を実測し、治療計画の線量を補正する、照射後の血中ホウ素濃度を測定して投与線量を評価するなどの方法がある。

投与線量の変動要因は何か?
1) BNCT の投与線量変動幅は、中性子源からのビームフラックス変動、腫瘍内のホウ素蓄積の変動によって変化する。変動幅の許容範囲は、治療目的によって臨床的に判断されており、妥当性評価は未だ研究段階である。

投与線量変動を抑制するために、どのような方法が考えられるか?
1) 中性子照射に関わる変動要因とその抑制方法として以下の方法が考えられる。
・ 非臨床試験および治療前の QA にて、加速器運転条件、標的の劣化消耗などによる中性子束の変動を把握する(個々の機器設計、施設内設置条件、運転などによって変わるため)。
・ 治療計画と患者位置合わせ時のずれを補正する。
照射中の患者体位変化を抑制するため、固定マスクなどを使用する。
・ 無理な照射体位を避けて、適切な照射方向を選定する。
・ 将来的には、中性子強度増強による照射時間短縮を図る。
なお、今後の機器および薬剤開発次第では、投与線量をダイナミックに制御することが最適な転帰につながる新しい治療方法が提案される可能性もあり得る。

3.2.2 中性子発生のモニタリング
標的材が原因の異常停止は起こり得るか?
1) 標的材損傷の頻度は、装置設計、使用条件、動作環境などによって異なる。
2) 標的材自体または冷却設備などの付属設備が要因となる標的材損傷が起こり得ることを想定した対策(モニタ装置、非常停止設備など)が望ましい。
3) 非臨床試験あるいは設計計算による標的材寿命の把握、中性子強度評価、照射前の標的健全性チェックなどは必須である。

加速器型中性子照射装置の異常を直接モニタできない場合は、間接的に何をモニタすればよいか?
1) 治療ビーム発生中の中性子強度をリアルタイムで直接モニタすることが最も望ましいが、現状、その技術は十分確立していない。加速器型中性子照射装置異常の間接的なモニタ方法として、標的材冷却水温度測定、ビーム輸送系の真空度測定、ビーム電流測定、標的材温度測定、患者から発生する即発 γ 線量測定などが考えられる。
2) 治療室内に設置された中性子および γ 線エリアモニタでも、中性子強度の大まかな変化は検知できるので、患者の照射体位設定や動きによって観測される中性子線量の変動幅を事前に把握しておくことが望ましい。

間接的にモニタするパラメータと中性子出力は相関しているか?
1) 標的材冷却水温度、標的材温度、およびビーム輸送系の真空度変化などと中性子出力との相関に関する公表データは、現状ほとんどない。したがって、加速器型中性子照射装置の異常を間接的に検知するには、非臨床試験においてこれらのパラメータと中性子出力の相関を調べておくことが望ましい。
2) 標的材が健全という前提のもとでは、ビーム電流と中性子出力の相関は一般的に高い。また、患者が大きく動かなければ、即発 γ 線量と中性子出力の間には高い相関がある。ただし、即発 γ 線スペクトル測定では、蓄積時間の分だけ、発生イベントとのタイムラグが生じるため、その時間差を事前に把握しておくことが望ましい。

標的材の異常発生から中性子出力変化を検出するまでの時間はどの程度か?
1) 標的材に異常が発生した場合は、速やかに患者の安全確保の措置を取る必要があるため、標的材の異常発生からモニタパラメータによる検知までの時間差を見積もっておくことが望ましい。
2) 異常発生時には、急激な中性子出力の変化と、経年劣化消耗による緩徐な変化が想定される。標的材損傷が起きると、冷却水温度が短時間で上昇するなどの事象が発生し得る。また、標的材の一部破損や緩徐な劣化は、荷電粒子ビーム電流からは推定できない場合があることにも留意する。
3) 通常、標的材損傷時は中性子出力が低下するため、過少照射となる場合がほとんどであるが、物理化学的な標的材損傷(例えば、標的材の剥離、溶融、貫通、破断など)に対するリスクマネジメントは必要である。

3.2.3 照射野外の被ばく
BNCT において治療による照射野(病巣および周辺臓器)への線量(計画線量)付与以外の被ばく線量の原因としては、以下の漏えい放射線と残留放射線の 2 つが想定される。
漏えい放射線には、
1) ビーム口外の装置から漏えいする中性子線や γ 線、および、これらの放射線が照射室の壁などで散乱して再び患者に入射する散乱線
2) ビーム口と患者との間の隙間からすり抜ける治療ビームによって照射野外の部位に照射される放射線の 2 種類が考えられる(以下、漏えい放射線と呼ぶ)。2)には、直接患者には照射されず、ビーム口の隙間から漏出した治療ビームが照射室内で散乱して患者に付与される放射線も含む。残留放射線は、照射中に装置が発生した中性子によって、装置を構成する部材が放射化して発生する γ 線などの放射線であり、構成部材によって短寿命核種と長寿命核種の両方が発生する。長寿命核種による残留放射線は長期間装置を使用することで蓄積していく可能性があり、治療直後だけでなく、定常的なバックグラウンドの線量として影響する可能性がある。
これらを踏まえて、これらの放射線による被ばくの低減について以下に示す。

ビーム口外からの漏えい放射線、残留放射線に対してどう対処すべきか?
1) BNCT 用中性子照射装置は大強度の中性子を発生させる必要がある。しかし、中性子は指向性が低くコリメートすることが難しいため、ビーム口外から漏出する中性子をゼロにすることは難しい。この漏えい放射線による患者への付与線量は、照射野内の病巣部への線量(計画線量)よりかなり低いものの、患者の被ばく要因として考慮する必要がある。
2) 漏えい放射線による患者への付与線量は、患者の照射体位、照射方向、装置および建屋の構造などによって変化するため、装置ごとの評価が必要となる。この漏えい放射線による付与線量データも考慮にいれて治療計画を立てることが望ましい。
3) 照射装置からの大強度の中性子による構成部材の放射化を避けることはできない。しかし、特にビーム口付近は患者に近接する部分であり、かなりの量の中性子束になるため、放射化を低減するため放射性同位元素の生成断面積(特に長寿命核種)が小さい材料で構成するのが望ましい。

全身被ばくも考慮にいれて治療計画をたてる必要性があるか?
1) 治療計画策定時に、全身被ばく線量を評価することは他の放射線治療でも実施されていない。BNCT では治療計画時の評価範囲を広く設定することで、漏えい放射線による線量付与を治療計画の一部として評価することは可能である。
2) ビーム口外の漏えい放射線による全身被ばくの線量評価は、モンテカルロ計算に基づく治療計画の計算負荷が過大になるため、現状実施されていないものの、コミッショニング時に人体模擬ファントムを用いた実測もしくは計算によって、事前に一般的な線量を把握することが推奨される。設備からの残留放射線も考慮にいれて治療計画をたてる必要性はあるか?
1) BNCT では、治療するたびに装置が放射化され、残留放射線が発生する。また、長寿命核種による残留放射線は、定常的に存在するようになり、治療開始前から患者および医療従事者に影響を及ぼす可能性がある。しかし、残留放射線による線量率は、治療線量率よりもかなり低いため、現状、患者の治療計画では考慮されていない。施設の空間線量評価は、医療従事者の被ばく管理として必要となる。

治療ビーム以外の被ばくをどのように低減すべきか?
1) 漏えい放射線による被ばくの低減: 治療ビームの照射野以外への被ばくの低減については、可能な限りビーム口と患者との間の隙間ができないような工夫が必要であり、研究段階ではあるが、患者位置合わせ後に照射部位とビーム口との隙間に埋められるような遮蔽材の開発も行われつつある。ただし、付加した遮蔽材の治療線量に及ぼす影響の評価は必要となる。この追加の遮蔽材も含めた治療計画を実施できることが望ましい。
2) ビーム口外の装置壁面から漏出する漏えい放射線の低減: 装置がより大出力化でき、発生する中性子強度を高くできれば装置の遮蔽をより厚くすることが可能となるため、ビーム口外からの漏えい放射線は低減できる可能性がある。また、照射室サイズを十分大きくとることや、治療室の設計によって低減できる可能性がある。
3) 残留放射線の低減: 残留放射線を低減するためには、装置を構成する部材に長寿命核種の生成断面積が小さい材料を使用することが望ましい。また、発生する中性子のエネルギーによっても放射化反応の断面積が異なるため、これらを踏まえた装置設計が必要である。なお、装置の放射化による残留放射線の線量率は、治療ビームによる線量率に比べると十分に低い。したがって残留放射線による被ばくは照射室内での作業を行う医療従事者に対する考慮が主となる。
4) 大強度中性子発生技術の高度化による総合的な被ばく線量の低減: 将来的には、中性子発生技術の高度化により、標的材から発生する中性子強度をより増強できれば、現状よりも大型のモデレータ、遮蔽体および厚めの γ 線フィルターを組み合わせることが可能となり、治療ビームに混入する高エネルギー中性子や γ 線混入率を低減できる。これにより漏えい放射線と残留放射線による被ばくを抑えられる可能性がある。また、中性子の大強度化によってビーム口外の遮蔽体もより厚くすることが可能となり、漏えい放射線も低減できる。

粒子線治療装置のレベルまで照射野外線量を低下させることは可能か?
1) 中性子発生効率の低い現状の加速器型中性子照射装置では十分な遮蔽を設置できないため、ビーム口外の漏えい放射線による線量を X 線や粒子線治療装置のレベル(JIS T0601-2-64)に低減することができない。そのため、非臨床試験の段階で、ファントム試験やモンテカルロ計算で漏えい線量を評価しておく必要がある。

3.2.4 中性子特性に対する規定
標的材に入射する荷電粒子特性の再現性、安定性を示す指標は何か?
1) 加速器から標的に入射する荷電粒子特性の再現性は、ビームエネルギー(MeV)、ビーム電流(mA)、ビームサイズ(プロファイル)で評価される。加速器運転条件と荷電粒子特性の関係は、通常装置仕様として把握されており、再現性は一般的に高い。
2) 荷電粒子エネルギーは、輸送路のマグネットの磁場強度の安定性、幾何学的条件によって変動し得る。ビームエネルギーと電流は、ビーム輸送経路に設置されたマグネットの励磁電流、スリット電流計などでモニタすることができる。発生するビーム電流
(荷電粒子数)の安定性は高く、現状、大きな変動要因にはなりにくい。
3) 再現性、安定性の許容範囲は、エネルギー幅、線量分布、線量設定に対する変動幅に依存する。安定性を示す指標としては、治療照射中のビーム特性の他、加速器の安定稼働実績を示す方法などが考えられる。

同じ特性の荷電粒子が入射した時の、加速器型中性子照射装置の再現性はどの程度か?
1) 装置設計(入射荷電粒子特性、標的材など)ごとに、得られる中性子特性(スペクトル、強度、高エネルギー中性子混入率、γ 線混入率、方向成分)は異なる。そのため、再現性、安定性については、個別の装置ごとの評価が必要となる。
2) 標的材から発生する中性子特性は、標的材の状態が同じであれば、荷電粒子の入射条件で一意に決まり、再現性は高い。標的材が同じ状態の時の中性子変動(ストラグリング)についても、情報は少ないものの一般に再現性は高い。
3) 標的材の状態(標的材厚さ、減速体厚さ、材質、組成など)で中性子特性が変わるため、標的材の状態を直接または間接的にモニタする必要がある。間接的なモニタリング方法としては、加速器荷電粒子ビームパワー、標的材の冷却水温度などのモニタがある。

治療に求められる中性子出力、スペクトル、混入 γ 線率などの特性を規定することは可能か?
1) 治療で求められる中性子特性は、処方線量を決定する治療計画に依存し、かつ処方線量は個人ごとの照射条件やホウ素濃度分布で変わるため、一律に規定することは難しい。仮に中性子スペクトル分布、混入 γ 線率を定義しても、それを現状の技術で調整することはできない。
2) 一方で、標準的な治療プロトコルを想定した場合の中性子出力、スペクトル、混入 γ 線率は開発時の参考になりうる。IAEA-TECDOC1223(2001 年 5 月)には、中性子出力、スペクトル、混入 γ 線率の参考値が記載されている。
3) 治療装置の中性子特性に規定値を設けないとしても、中性子特性のモニタと評価は必要となる。入射荷電粒子特性と中性子出力の関係を把握したうえで、1 日稼働した場合の電流値およびエネルギーの平均値と変動値など、荷電粒子モニタリング値、運転実績評価値などを提示する方法が考えられる。
4) 装置から発生する中性子の物理的特性を規定するのではなく、非臨床試験において水ファントム内の深部線量分布(中性子、γ 線)を測定し、装置特性として記載する方法も考えられる。または、皮膚(表面)線量、Advantage Depth(正常組織線量が腫瘍線量を超える体表からの深さ)、Advantage Depth Dose Rate(正常組織線量が腫瘍線量を超える体表からの深さでの線量率)などで規定する方法も考えられる。
5) 中性子特性は、入射荷電粒子特性、減速材反射材設計、ターゲット寿命、ターゲット冷却条件、ターゲット照射位置周り遮蔽設計などの装置設計および仕様によって異なる。混入 γ 線は、標的材、冷却水、減速材反射材、遮蔽体により発生する一次、二次以上の γ 線を考慮したモンテカルロ計算(PHITS, MCNP, MCNPX, GEANT4 など)で評価することができる。

3.2.5 治療計画装置
BNCT の線量計算はどのように行われるか?
1) モンテカルロ計算では、水ファントム内の熱中性子束分布、γ 線量分布の実測値を規格化ファクターとして中性子線、γ 線源を形成した後、実測したファントム中の熱中性子束、熱外中性子束、高速中性子束、γ 線線量率と比較して計算結果を検証する。計算結果は使用する核データ、計算アルゴリズムなどに依存するため、計算結果に影響を与えるライブラリの種類や計算条件を明記することが望ましい。
治療線量評価に用いる等価線量を求めるには、まず、モンテカルロ計算によって中性子束、および、光子束を算出し、これらに各元素の KERMA 係数をエネルギー毎にかけて吸収線量を求める。BNCT の場合は、治療効果を与える 10B と、生体を構成する元素のうち大きな線量となる窒素と水素に関して吸収線量を評価する。γ 線量は、光子束に光子の線量換算係数をエネルギー毎に掛け合わせて求める。モンテカルロ計算では、それぞれの KERMA 係数は、計算コード内に組み込まれているため、中性子束、光子束の計算と同時に吸収線量も算出される。なお、10B と中性子との反応に起因する“ホウ素線量”を算出する際には、一般的に 10B 濃度:1ppm 当たりのホウ素線量を算出する。
次に、算出した各吸収線量に RBE 値を掛けて生物学的等価線量(以下、等価線量)を求める。ホウ素線量の等価線量は、血中ホウ素濃度と各正常組織で規定されている CBE 値を掛け合わせて求める。RBE 値は高速中性子領域で装置ごとに異なるため、各装置において in vitro 試験などで評価する。熱中性子、γ 線に対しては、施設によらずほぼ共通した RBE 値が使用される。CBE 値は、ホウ素薬剤(例:BPA)、腫瘍/正常組織、反応のエンドポイントが同じであれば同一の CBE 値が使用される。線量計算にはどのような入力データが使われるか?
1) モンテカルロ計算コードとしては、PHITS、MCNP、MCNPX、GEANT4 などがある。入力データとして、標的材での中性子生成反応核データ、装置・施設のジオメトリデータ、中性子および γ 線の線源データ、検証済みの核データライブラリが使用される。
2) ジオメトリデータと線源データは、非臨床試験で装置や施設ごとに作成される。中性子と γ 線源データは、荷電粒子と標的材の中性子生成反応、減速材透過後の中性子および γ 線スペクトルと角度分布をもとに作成される。
3) 治療に BPA 薬剤を用いる場合、正常部位に対しては一定値のホウ素濃度(例:25ppm)を入力し、腫瘍部位に対しては、適切な T/N 比またはホウ素濃度を用いて腫瘍部位のホウ素濃度を決定する。治療当日は、照射前後の患者血中ホウ素濃度の平均値で再評価を行う。
4) 18F-BPA-PET 検査の有効性が示された場合、腫瘍部位のホウ素濃度に本検査のパラメータを利用することも想定される。

線量計算結果に影響を与える要因は何か?
1) 中性子、γ 線量は、適切に設定されたジオメトリデータのもと、検証ずみの核データ、中性子線源、γ 線源が構築されていれば、再現性の高い物理線量計算が可能である。ただし、ホウ素線量は、腫瘍や正常組織内のホウ素濃度が治療計画時の予測値と異なる場合があるので、治療当日の血中ホウ素濃度での補正が必要となる。

腫瘍と正常組織のホウ素線量はどのように求められるか?
1) 治療計画時は、血中、および、正常組織、皮膚、腫瘍などの各部位に集積するホウ素濃度の予測値を用いて線量計算を行う。血中濃度としては 25ppm などの値を仮定して評価することが一般的である。血中濃度に対する各組織の濃度比は、これまでの原子炉での臨床研究で用いられた値や文献値を用いることが多い。治療時のホウ素濃度は、照射直前の血液サンプル中のホウ素濃度を質量分析または即発 γ 線分析法などで求め、治療計画時の仮定値(25ppm などの値)と置き換えて各部位の線量を再評価する。

使用する CBE 値および RBE 値にコンセンサスはあるか?
1) これまでの原子炉型 BNCT においては、治療計画や事後評価で用いられている RBE 値は、臓器ごとに論文などで報告されているが、すべての施設で同じ値が使用されているわけではない。何故なら、高速中性子については、中性子発生装置によってエネルギーのスペクトルが異なるので、RBE 値に差が生まれるからである。それぞれの装置で生物実験などにより評価したものを用いるべきである。一方、熱中性子や γ 線については装置の違いは少ないので、ほぼ同じ RBE 値を用いることができる。また、加速器型の BNCT では、中性子スペクトルが変わるので、原子炉型 BNCT での RBE 値をそのまま使用することはできない。
2) CBE 値については、同じ化合物、同じ臓器であれば、装置に関係なく同じ値を使うべきである。しかし、臓器によっては CBE 値が N/B 比によって支配されるものもあり、将来は固定した値ではなく N/B 比の変動を勘案した値を使うことが望ましい。また、加速器型の BNCT では、装置ごとにスペクトルと大きく異なる可能性があるので、RBE 値(特に高速中性子)については、それぞれの装置で生物実験などにより評価したものを用いるべきである。一方、熱中性子や γ 線については装置の違いは少ないので、ほぼ同じ RBE 値を用いることができる。なお、CBE 値については、同じ化合物であれば、装置に関係なく同じ CBE 値を使うべきである。しかし、処方線量の決定で重要となる CBE 値については、これまで使用されてきた動物実験由来の値に代わる、ヒトでの最適な CBE 値の探索が現在も続けられている。
3) 現在、臨床的に使用されている RBE 値と CBE 値の一例を、出典とともに以下の表 5 に示す。

表 5 臨床的に使用されている RBE 値と CBE 値の一例[4][5]
中性子のRBEとBPAおよびBSHの諸組織に対するCBE値

治療中の体位変化によって投与線量はどの程度変動するか?
1) 治療に寄与する熱および熱外中性子ビームは、並行ビームではないので、距離による減衰が大きい。基本的には体位変化が起きない位置合わせを考慮すべきだが、約 1 時間の治療中に変化しうる。特に、ビーム口から腫瘍までの距離が変わるような患者の動きは、中性子の強度変化が大きくなりやすいので、出来るだけ排除できるセッティングが必要であり、この点に最大の注意を払うべきである。

体位変動による投与線量変化を計算に取り入れることは可能か?
1) 現状、照射中の体位変動をモニタする技術が確立しておらず、モンテカルロ計算も数十分かかるので、治療中に線量補正していない。事前に、治療中の取り得る体位を考慮にいれて線量計算する方法も考えられる。今後、治療中の体位変動をモニタする技術が開発されれば、線量補正は可能になるかもしれない。

3.2.6 in vitro 試験
原子炉型 BNCT の in vitro 試験結果を加速器型 BNCT の in vitro 試験に外挿できるか?
1) 原子炉型 BNCT と加速器型 BNCT では、中性子特性、γ 線混入率などが異なるので、生物影響の外挿はできない。構成する各放射線成分の生物学的効果を個別に評価できれば、外挿も可能となるかも知れないが、構成する各放射線成分の生物効果を個別に評価した報告は多くない[6]-[8]。ただ、中性子に随伴あるいは二次的に発生する γ 線と中性子の生物効果における相互作用をも考えると、単純にして強引な効果の弁別は誤った結論を誘導する危険もあり、成分毎の効果評価の意義付けは見解の分かれるところでもある。方や多くの場合に線量の大半を占めるホウ素線量を等価線量に変換するに必要な CBE 値は、熱中性子とホウ素原子核の反応に由来するので、中性子ビームの試験結果から加速器中性子ビームの試験結果を外挿することには問題はない。ただ、CBE なる概念は in vitro の培養細胞実験で生まれたものではなく、正常組織に対する有害事象、とくに晩期有害事象の発生をできる限り抑えるために、正常組織に対する in vivo 試験の結果をホウ素線量と関係付けるために考案されたものである。

中性子特性の違いが in vitro / in vivo 試験にどのような影響を与えるか?
1) 中性子スペクトル: 熱、熱外、高速の各中性子線、γ 線の RBE 値が異なるので、各放射線の混合比率によって殺細胞効果は変化する。
2) γ 線混入率: γ 線の混入率が変化すると、熱、熱外、高速の各中性子線の比率も変化するので、上記と同じ理由で、殺細胞効果が変化し、細胞生存率、抗腫瘍効果も変化する。
3) 線量率: 低 LET 放射線である γ 線は線量率低下に伴い、殺細胞効果は低下する。高 LET 放射線の熱、熱外、高速の各中性子線の殺細胞効果の線量率依存性は小さいとされる。

BNCT 特有の in vitro 試験方法や評価項目はあるか?
1) BNCT も放射線治療のモダリティの一つであるため、BNCT 特有のエンドポイントというものはなく、一般の放射線治療と同じエンドポイントを設定できる。また、同一のエンドポイントを使用することで、他の治療との生物学的効果を比較することも可能となる。例として、BNCT で実施される in vitro 試験には、以下のようなものがある。
 線量依存的な BNCT 抗腫瘍効果の検証試験
 細胞内ホウ素集積試験(細胞内ホウ素濃度 25ppm 相当)
 細胞内ホウ素薬剤局在評価
 細胞のホウ素薬剤感受性試験  ホウ素薬剤投与法の検証試験
 ホウ素薬剤の細胞毒性試験
 照射野外線量(漏えい線量)の検出試験
(=細胞小核発現率(遺伝毒性試験の 1 つ))細胞実験、動物実験設備ともに管理区域内に設置され、生物を含めた放射化物と計測機器の持ち出しは、放射線障害防止法(新:放射性同位元素等規制法)の規制をうけるため、実験を行う際には、施設担当者と事前の打ち合わせが必要である

BNCT の抗腫瘍効果は、in vitro 試験でどのように検証されるか?
1) コロニー形成法による細胞生存率(細胞生存率が 10%に低下する線量や D0 値の γ 線照射との比較)、Initial response としての染色体異常の出現頻度 X 線・γ 線とのがん細胞生存率などが考えられる。
2) 国内で臨床目的の加速器 BNCT 施設は稼働しているが、その為の基礎データは治験のための非臨床試験として行われたという事情もあって公表されていない。こうした事情の束縛を受けないもののみが、国内外で公表されているが、基礎試験可能な施設は限られているため、公表された学術論文は少ない[9]-[11]。海外に関しては、装置構成は本邦のものと異なるが、ロシア、中国、イタリアで、研究ベースで加速器 BNCT の生物基礎実験が行われている。一方で、原子炉型 BNCT をベースとした論文は多数報告されている。装置や線質が異なるため直接の比較はできないが、生物学的効果の基礎実験や実験手法は、X 線の効果検証と異なるところはないのでそれらを参照することができる。

3.2.7 in vivo 試験
原子炉型 BNCT の in vivo 試験結果を加速器 BNCT に外挿できるか?
1) 原子炉由来の中性子特性(中性子スペクトル、γ 線混入比率など)は、加速器 BNCT のものと異なるため、仮にホウ素濃度分布が同じであったとしても、生物学的効果の単純な外挿はできない。しかし、等価ホウ素線量による in vivo 試験結果は原子炉型 BNCT で蓄積されたものを使い得る。

BNCT に特有の in vivo 試験方法や評価項目はあるか?
1) BNCT は中性子および γ 線の体外照射と、ホウ素薬剤からのアルファ線やリチウム原子核の体内照射を併用する放射線治療であるが、そのエンドポイントは他の放射線治療と同様に設定される。また、試験方法も他の放射線治療と同様の手法が採用される。ただし、ホウ素薬剤の体内分布や腫瘍臓器の取り込みと中性子照射が密接に関連して試験結果に影響を与えるため、実験条件の設定や試験結果の解析においては、薬剤の動態と放射線特性双方からの検討が必要となる。
2) in vivo 試験では、臨床において重要となる血中ホウ素濃度と、腫瘍臓器および正常組織内におけるホウ素濃度のホウ素薬剤による違いを検証できる。


BNCT の抗腫瘍効果は、in vivo 試験でどのように検証されるか?
1) 抗腫瘍効果を容易に確認できる例として、皮下移植モデルでの経時的な腫瘍サイズ測定が行われている。また、必要に応じ TCD50 アッセイ が行われる。照射後 2 週間または 1 か月などの観察で、腫瘍径が有意に抑制できれば、抗腫瘍効果ありと判定する。なお、in vitro、in vivo 試験ともに急性期の応答を調べるものであって、最終の腫瘍制御効果を確認するものではない。ただ、TCD50 アッセイは、腫瘍制御効果に代用可能ともされる。
2) 代謝、解剖、薬物動態がよりヒトに近い中型動物での正常組織反応を見る試験を実施することは望ましいが、臨床用施設の制約、管理区域内での動物飼育、体位保持の困難さなどの問題から、実施には入念な準備が必要となる。そのため、原子炉型 BNCT の臨床実績を勘案したうえで、げっ歯類の試験結果からヒトへの有効性、安全性を推定することも行われている。また、抗腫瘍効果の解釈には、腫瘍内のホウ素薬剤分布の不均一や腫瘍細胞の形態学的特徴を考慮にいれた分析が必要である[12]。
3) 基礎試験可能な加速器 BNCT 施設は限られているため、国内外ともに公表された学術論文は少ない。一方、原子炉型 BNCT を使った動物実験に関する論文は多数報告されているため、ビーム特性の違いを認識する上で参照可能である[13]。

4. 今後望まれる技術開発
現在の加速器型 BNCT 治療をさらに効果的、効率的に実施するために、今後 5~10 年にわたって開発されることが期待されている技術を、開発ガイドライン WG 委員会の議論から抜粋して取りまとめたものを、以下に示す。

1 リアルタイムホウ素濃度モニタ
照射中のホウ素濃度をリアルタイム計測できる技術が望まれている。これまで、原子炉型 BNCT では、照射前に採血した血液サンプル中のホウ素濃度を測定し、この結果に基づいて照射中のホウ素濃度を推定していた。この血液サンプル中のホウ素濃度を測定する方法としては、質量分析やオージェ電子で測定するICP-MSまたはICP-AESと、478keV の即発 γ 線を使う PGA 法が使用されていた。加速器型 BNCT では、設備の整備性の観点から、主に ICP-MS もしくは ICP-AES による測定が行われる。
これに対し、PG-SPECT 法は、治療(照射)中の生体中(主に病巣内)のホウ素と中性子との反応で発生する 478keV の即発 γ 線を 1~2m 離れた場所で検出することで、リアルタイムで病巣周辺のホウ素の濃度分布および経時変化を測定することができる。そのため機器として超高感度(エネルギー分解能、空間分解能ともに)の γ 線検出器(半導体またはシンチレータ)が必要となる。また耐放射線性、高強度の中性子場(~ 109 [n/cm2/ s])での動作保証、および、対消滅によって放出される 511keV の γ 線とのエネルギー弁別能が求められる。
2 患者照射用中性子モニタ
現状、荷電粒子の電流値から、中性子束を推定している。中性子束を直接測定する中性子モニタ(特に熱外中性子を高精度に測定できるモニタ)、混入する γ 線と中性子線が弁別可能なモニタなどの開発が求められる。さらに、装置のビーム口外からの漏えい放射線、および、装置の放射化による残留 γ 線を高精度に測定する計測技術も望まれる。患者に照射される放射線のモニタには、中性子場を乱さず、極端に劣化せず、高い中性子束(~109 [n/cm2/ s])への対応が求められる。
3 照射中の患者姿勢・位置モニタ
BNCT では治療時間が長く、患者の負担も大きいため、照射位置が初期セッティングから動く可能性がある。照射中の患者の位置変動、姿勢変化モニタリングでは、耐放射線性、高強度の中性子場での動作保証が求められるので、従来の X 線治療用モニタ、粒子線治療用モニタが使えない。照射中の患者の位置変動、姿勢変化をモニタリングするとともに、リアルタイムに照射条件を担保できる制御技術などの開発が期待されている。呼吸性移動が問題となる体幹部など新規適応部位では、呼吸性移動に応じた線量評価、照射制御技術の開発が求められる。
4 モンテカルロ計算の高速化
中性子輸送計算に時間を要する。現状、100CPU 並列計算で 20 分程度が実現している。今後、他の放射線治療計画装置と同程度(数分以内)を目指す。
5 装置発生中性子モニタ
体系内、体系近くで周辺状況が一定な場所に中性子検出器を設置する。実績のある3He をポリエチレン付きの容器などに入れることも可能と考えられる。
6 輸送計算用核データ開発
より正確なシミュレーションのためには、中性子断面積ライブラリおよび γ 線生成断面積の高精度化が望ましい。また、用いる断面積ライブラリも可能な限り施設毎で共通化、統一化することが望ましい。
7 遮蔽材
患者と照射口とのすき間からのすり抜け放射線を低減するため、この隙間を埋められるような BNCT 用マルチリーフ照射技術や、遮蔽手法、遮蔽材などの開発が望まれる。
8 標的材のリアルタイムモニタリング標的材の冷却水温度モニタ、荷電粒子ビーム輸送系の真空度モニタなど(いずれもリアルタイム計測が可能)を用いて代替的、間接的な標的材健全性モニタリングは可能である。しかし、照射中の標的材状態をリアルタイムで的確にモニタする技術を確立することで、より高精度の治療が可能となる。
9 体位変動を取り入れた線量計画
治療中の体位変動のモニタ・取得システム開発、シミュレーション計算コードの高速化、処理データ量の大容量化などが望まれる。

10 治療計画装置
全身被ばく線量評価が可能な装置、技術、手法。
11 加速器型中性子発生技術の高度化
ビーム口外からの漏えい放射線を低減するための遮蔽材の開発や、ビーム強度を増強するための中性子発生技術の高度化が望まれる。中性子ビーム強度を上げることで、遮蔽体の厚みを厚く設計できるため、漏えい放射線が低減するとともに、治療時間の短縮にもつながる。
12 投与線量の評価手法開発
治療計画での処方線量と治療後の投与線量を評価する手法の研究開発が望まれる。
13 共通ファントムによる線量評価の標準化
各施設で共通の線量評価ファントムを使用することで、線質や線量の標準的な測定プロトコルが確立し、装置間での比較も可能となる。このようなファントムを学会などが管理し、貸し出すことで、治療技術の均質化が図られる。

GL:付属資料

APPENDIX

APPENDIX 1 関連する規格および基準
1.1 IAEA-TECDOC-1223 “Current status of neutron capture therapy” (May 2001)
2001 年発行の IAEA 文書で、BNCT に関する唯一の国際規格関連文書。当時の開発状況に照らして、望ましいビーム特性が提示されている。これを満たすことが必須とされてはいないが、開発初期の参考となる。以下、その一部を抜粋した。

DESIRED NEUTRON BEAM PARAMETERS

1.2 構成するシステムに関連する規格/基準
システムを構成する、患者照射台、放射線計測モニタ、治療計画装置などの性能、品質などについては、必要に応じて関連するガイドライン、認証基準などに準じて評価する。
一例として、以下に一般的名称:加速器システム承認基準の引用規格を示す。

JIS Z 4714: 2001
医用電子加速装置−性能特性
Medical electron accelerators−Functional performance characteristics
この規格は、公称エネルギーが 1MeV から 50MeV の範囲で、放射線源から 1m の距離で最大吸収線量率が 0.001Gy/s と 1Gy/s 間にあって、さらに、定格治療距離が放射線源から 50cm と 200cm の間の、X 線又は電子線の放射線ビームを照射する電子加速装置に適用。性能特性の決定及び公表のための試験手順を規定する。
対応国際規格: IEC 60976: 2007 Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Functional performance characteristics

JIS Z 4705: 2015
医用電子加速装置−安全
Medical electrical equipment Part 2-1: Particular requirements for the safety of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
この個別規格は、形式試験及び現地試験を含んでおり、それぞれ次に示す電子加速装置の製造及び設置のある段階に適用する。X 線及び/又は電子線の放射線ビームを投与する装置・定格エネルギーが 1MeV∼50MeV の範囲、線源から 1 m の位置での吸収線量率の最大値が 0.001Gy/s∼1Gy/s の範囲、線源からの定格治療距離(NTDS)が 0.5m∼2m の間。電子加速装置の電離放射線からの安全性、並びに強化された機械的及び電気的な安全性を確実にするための要求事項を定め、それらの要求事項への適合性を確認するための試験を規定する。対応国際規格: IEC 60601-2-1:2009+AMD1:2014 Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV JIS T0601-1: 2017
医用電気機器-第 1 部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項この規格は、医用電気機器(以下、ME 機器という。)及び医用電気システム(以下、 ME システムという。)の基礎安全及び基本性能について規定する。
対応国際規格: IEC 60601-1:2005/AMENDMENT 1:2012 (MOD) Medical electrical equipment-Part 1: General requirements for basic safety and essential performance 及び Amendment 1:2012(MOD)

JIS T14971: 2012
医療機器−リスクマネジメントの医療機器への適用
Medical devices-Application of risk management to medical devices
この規格は、製造業者が体外診断用医療機器を含む医療機器に関連するハザードを特定し、リスクの推定及び評価を行い、これらのリスクをコントロールし、そのコントロールの有効性を監視する手順について規定する。この規格の要求事項は、医療機器のライフサイクルのいずれの段階にも適用することができる。この規格は、臨床的判断には適用しない。
対応国際規格: ISO 14971: 2007 Medical devices -- Application of risk management to medical devices

JIS T 0601-1-2: 2018
医用電気機器―第1-2部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:電磁妨害―要求事項及び試験
Medical electrical equipment -- Part 1-2: General requirements for basic safety and essential performance -- Collateral Standard: Electromagnetic disturbances --
Requirements and tests
この規格は、医用電気機器及び医用電気システム(以下、機器及びシステムという。)に対してだけ適用する。
機器及びシステムの電磁両立性の一般的要求事項及び試験を規定しかつ個別規格の電磁両立性の要求事項及び試験を追加する必要がある場合に基礎を与えることにある。
対応国際規格: IEC 60601-1-2:2014,Medical electrical equipment−Part 1-2: General requirements for basic safety and essential performance−Collateral Standard:
Electromagnetic disturbances−Requirements and tests(IDT)

JIS T0601-2-64: 2016
医用電気機器−第 2-64 部:粒子線治療装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項
Medical electrical equipment-Part 2-64: Particular requirements for the basic safety and essential performance of light ion beam medical electrical equipment
この規格は、患者の治療に用いる粒子線 ME 機器(以下、特に断らない限り、ME 機器は粒子線 ME 機器を指す。)の基礎安全及び基本性能について規定する。
この個別規格の目的は、10MeV/n∼500MeV/n の範囲の粒子線 ME 機器の基礎安全及び基本性能の要件を規定し、これらの要件の適合性を確認する試験を規定する。対応国際規格: IEC 60601-2-64:2014,Medical electrical equipment−Part 2-64:
Particular requirements for the basic safety and essential performance of light ion beam medical electrical equipment(IDT)

JIS Q13485: 2018
医療機器―品質マネジメントシステム―規制目的のための要求事項
Medical devices -- Quality management systems -- Requirements for regulatory purposes
この規格は,組織が顧客要求事項及び適用される規制要求事項を一貫して満たす医療機器及び関連するサービスを提供する能力を実証する必要がある場合の品質マネジメントシステムの要求事項について規定する。そのような組織は,医療機器の設計・開発,製造,保管及び流通,据付け,附帯サービス,並びに関連する活動(例 技術支援)の設計・開発及び提供を含む医療機器のライフサイクルの一つ以上の段階の活動に関わることができる。
対応国際規格: ISO 13485:2016,Medical devices−Quality management systems−Requirements for regulatory purposes(IDT)

1.3 粒子線治療装置に関する国際規格
1) X-ray therapy:
IEC 60601-2-1:2009+AMD1:2014 CSV Consolidated version
Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
IEC 60976:2007
Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Functional performance characteristics
IEC TR 60977:2008
Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Guidelines for functional performance characteristics 2) Performance:
IEC 60601-2-68:2014
Electrical medical equipment - Part 2-68: Particular requirements for the basic safety and essential performance of X-ray-based image-guided radiotherapy equipment for use with electron accelerators, light ion beam therapy equipment and radionuclide beam therapy equipment
IEC 61217:2011
Radiotherapy equipment - Coordinates, movements and scales 3) Particle therapy:
IEC 60601-2-64:2014
Medical electrical equipment - Part 2-64: Particular requirements for the basic safety and essential performance of light ion beam medical electrical equipment
IEC 62667:2017
Medical electrical equipment - Medical light ion beam equipment - Performance characteristics
4) Treatment planning:
IEC 62083:2009
Medical electrical equipment - Requirements for the safety of radiotherapy treatment planning systems
IEC 62274:2005
Medical electrical equipment - Safety of radiotherapy record and verify systems
IEC TR 61852:1998
Medical electrical equipment - Digital imaging and communications in medicine (DICOM) - Radiotherapy objects 5) Radiotherapy simulators:
IEC 60601-2-29:2008
Medical electrical equipment - Part 2-29: Particular requirements for the basic safety and essential performance of radiotherapy simulators
IEC 61168:1993
Radiotherapy simulators - Functional performance characteristics 6) Electronic brachytherapy:
IEC 60601-2-8:2010+AMD1:2015 CSV Consolidated version
Medical electrical equipment - Part 2-8: Particular requirements for the basic safety and essential performance of therapeutic X-ray equipment operating in the range 10 kV to 1 MV

1.4 IEC/TC 62/SC 62C(Equipment for radiotherapy, nuclear medicine and radiation dosimetry)で公表の放射線治療、核医学、放射線計測関連国際規格
http://www.iec.ch/dyn/www/f?p=103:22:15863561213597::::FSP_ORG_ID,FSP_LANG_ID:
1362,25(2019/06/23 アクセス)
IEC 60580:2000
Medical electrical equipment - Dose area product meters
IEC 60601-2-1:2009+AMD1:2014 CSV
Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
IEC 60601-2-1:2009
Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
IEC 60601-2-1:2009/AMD1:2014
Amendment 1 - Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
IEC 60601-2-8:2010+AMD1:2015 CSV
Medical electrical equipment - Part 2-8: Particular requirements for the basic safety and essential performance of therapeutic X-ray equipment operating in the range 10 kV to 1
MV
IEC 60601-2-8:2010
Medical electrical equipment - Part 2-8: Particular requirements for basic safety and essential performance of therapeutic X-ray equipment operating in the range 10 kV to 1
MV
IEC 60601-2-8:2010/AMD1:2015
Amendment 1 - Medical electrical equipment - Part 2-8: Particular requirements for the basic safety and essential performance of therapeutic X-ray equipment operating in the range 10 kV to 1 MV
IEC 60601-2-11:2013
Medical electrical equipment - Part 2-11: Particular requirements for the basic safety and essential performance of gamma beam therapy equipment
IEC 60601-2-17:2013
Medical electrical equipment - Part 2-17: Particular requirements for the basic safety and essential performance of automatically-controlled brachytherapy afterloading equipment
IEC 60601-2-29:2008
Medical electrical equipment - Part 2-29: Particular requirements for the basic safety and essential performance of radiotherapy simulators
IEC 60601-2-64:2014
Medical electrical equipment - Part 2-64: Particular requirements for the basic safety and essential performance of light ion beam medical electrical equipment
IEC 60601-2-68:2014
Electrical medical equipment - Part 2-68: Particular requirements for the basic safety and essential performance of X-ray-based image-guided radiotherapy equipment for use with electron accelerators, light ion beam therapy equipment and radionuclide beam therapy equipment
IEC 60731:2011+AMD1:2016 CSV
Medical electrical equipment - Dosimeters with ionization chambersas used in radiotherapy
IEC 60731:2011
Medical electrical equipment - Dosimeters with ionization chambers as used in radiotherapy
IEC 60731:2011/AMD1:2016
Amendment 1 - Medical electrical equipment - Dosimeters with ionization chambers as used in radiotherapy
IEC 60976:2007
Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Functional performance characteristics
IEC TR 60977:2008
Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Guidelines for functional performance characteristics
IEC 61168:1993
Radiotherapy simulators - Functional performance characteristics
IEC TS 61170:1993
Radiotherapy simulators - Guidelines for functional performance characteristics
IEC 61217:2011
Radiotherapy equipment - Coordinates, movements and scales
IEC 61267:2005
Medical diagnostic X-ray equipment - Radiation conditions for use in the determination of characteristics
IEC 61303:1994
Medical electrical equipment - Radionuclide calibrators - Particular methods for describing performance
IEC 61303:1994/COR1:2016
Corrigendum 1 - Medical electrical equipment - Radionuclide calibrators - Particular methods for describing performance
IEC 61674:2012
Medical electrical equipment - Dosimeters with ionization chambers and/or semiconductor detectors as used in X-ray diagnostic imaging
IEC 61675-1:2013
Radionuclide imaging devices - Characteristics and test conditions - Part 1: Positron emission tomographs
IEC 61675-2:2015
Radionuclide imaging devices - Characteristics and test conditions - Part 2: Gamma cameras for planar, wholebody, and SPECT imaging
IEC 61676:2002+AMD1:2008 CSV
Medical electrical equipment - Dosimetric instruments used for non-invasive measurement of X-ray tube voltage in diagnostic radiology
IEC 61676:2002
Medical electrical equipment - Dosimetric instruments used for non-invasive measurement of X-ray tube voltage in diagnostic radiology
IEC 61676:2002/AMD1:2008
Amendment 1 - Medical electrical equipment - Dosimetric instruments used for non-invasive measurement of X-ray tube voltage in diagnostic radiology
IEC TR 61852:1998
Medical electrical equipment - Digital imaging and communications in medicine (DICOM) - Radiotherapy objects
IEC TR 61948-1:2016
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 1: Gamma radiation counting systems
IEC TR 61948-2:2001
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 2: Scintillation cameras and single photon emission computed tomography imaging
IEC TR 61948-3:2018
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 3: Positron emission tomographs
IEC TR 61948-4:2019 RLV
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 4: Radionuclide calibrators IEC TR 61948-4:2019
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 4: Radionuclide calibrators
IEC 62083:2009
Medical electrical equipment - Requirements for the safety of radiotherapy treatment planning systems
IEC 62274:2005
Medical electrical equipment - Safety of radiotherapy record and verify systems
IEC 62467-1:2009
Medical electrical equipment - Dosimetric instruments as used in brachytherapy - Part
1: Instruments based on well-type ionization chambers
IEC 62667:2017
Medical electrical equipment - Medical light ion beam equipment - Performance characteristics
IEC TR 62926:2019
Medical electrical system - Guidelines for safe integration and operation of adaptive external-beam radiotherapy systems for real-time adaptive radiotherapy


APPENDIX 2 関連通知
・薬生機審発 0523 第 2 号別紙 5 令和元年 5 月 23 日
「ホウ素中性子捕捉療法用加速器型中性子照射装置システムに関する評価指標」
・薬食監麻発 0827 第 4 号 平成 26 年 08 月 27 日「薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の改正について」
・薬食発第 0401046 号 平成 17 年 4 月 1 日「加速器システム承認基準の制定について」
・薬食発第 1120 第 5 号 平成 26 年 11 月 20 日「医療機器の製造販売承認申請について」
・薬食安発 1002 第 1 号 平成 26 年 10 月 2 日「医療機器の添付文書の記載要領(細則)について」
・平成 25 年厚生労働省令第 11 号「薬事法施行規則及び医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令の一部を改正する省令」


APPENDIX 3 参考文献
[1] BNCT の基礎から臨床応用まで―BNCT を用いて治療にかかわる人のためのテキスト
―(財)医用原子力技術研究振興財団 (2011.9)
[2] RADIOISOTOPES, Japan Radioisotope Association. 64(1) (2015.1)
[3] Neutron Capture Therapy-Principles and Applications, Editors: Sauerwein W.A.G,
Wittig A, Moss R, Nakagawa Y, (Eds.), Springer. (2012)
[4] Ono K. An analysis of the structure of the compound biological effectiveness factor. J Radiat Res.57(S1),i83-i8,(2016)
[5] 小野公二 BNCT の将来展望 放射線 RI 塾 Isotope News 756, 24-27(2018)
[6] Coderre JA, Button TM, Micca PL, Fisher CD, Nawrocky MM, Liu HB, Neutron capture therapy of 9L rat gliosarcoma using the p-boronophenylalanine-fructose complex. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 30: 643–652 (1994)
[7] Hopewell JW, Morris GM, Schwint A, Coderre JA, The radiobiological principles of
boron neutron capture therapy: A critical review. Applied Radiation and Isotopes. 69: 1756–1759 (2011)
[8] Masunaga S, Sakurai Y, Tanaka H, et al. The dependency of compound biological effectiveness factors on the type and the concentration of administered neutron capture agents in boron neutron capture therapy. Springerplus. 3: 128 (2014)
[9] Sato E, Zaboronok A, Yamamoto T, Nakai K, Taskaev S, Volkova O, Mechetina L,
Taranin A, Kanygin V, Isobe T, Mathis BJ, Matsumura A, Radiobiological response of U251MG, CHO-K1 and V79 cell lines to accelerator-based boron neutron capture therapy, J Radiat Res. 59(2): 101-107 (2018)
[10] Yu H, Tang X, Shu D, Liu Y, Geng C, Gong C, Hang S, Chen D, Influence of Neutron
Sources and 10B Concentration on Boron Neutron Capture Therapy for Shallow and
Deeper Non-small Cell Lung Cancer, Health Phys. 112(3): 258-265 (2017 Mar)
[11] Bortolussi S, Postuma I, Protti N, Provenzano L, Ferrari C, Cansolino L, Dionigi P, Galasso O, Gasparini G, Altieri S, Miyatake S, González SJ, Understanding the potentiality of accelerator based-boron neutron capture therapy for osteosarcoma: dosimetry assessment based on the reported clinical experience, Radiat Oncol. 12(1): 130 (2017 Aug 15)
[12] Koji Ono, Hiroki Tanaka, Yuki Tamari, Tsubasa Watanabe, Minoru Suzuki, Shin-ichiro Masunaga, Proposal for determining absolute biological effectiveness of boron neutron capture therapy-the effect of 10B(n,ol Sci. 93(10):0): by neutroneutrontrnucleocytoplasmic ratio or the cell size, JRR 2018, rry080, https://doi.org/10.1093/jrr/rry080, Published: 05 November 2018.
[13] S.Masunaga, K.Ono, Y.Sakurai, M.Takagaki, T.Kobayashi, M.Suzuki, Y.Kinashi,
M.Akaboshi, Response of quiescent and total tumor cells in solid tumors to neutrons with various cadmium ratios, Int. J.Radiat. Oncol. Biol. Phys. 41(5), 1163-1170, 1998.

引用関連規格

APPENDIX

APPENDIX 1 関連する規格および基準
1.1 IAEA-TECDOC-1223 “Current status of neutron capture therapy” (May 2001)
2001 年発行の IAEA 文書で、BNCT に関する唯一の国際規格関連文書。当時の開発状況に照らして、望ましいビーム特性が提示されている。これを満たすことが必須とされてはいないが、開発初期の参考となる。以下、その一部を抜粋した。

DESIRED NEUTRON BEAM PARAMETERS

1.2 構成するシステムに関連する規格/基準
システムを構成する、患者照射台、放射線計測モニタ、治療計画装置などの性能、品質などについては、必要に応じて関連するガイドライン、認証基準などに準じて評価する。
一例として、以下に一般的名称:加速器システム承認基準の引用規格を示す。

JIS Z 4714: 2001
医用電子加速装置−性能特性
Medical electron accelerators−Functional performance characteristics
この規格は、公称エネルギーが 1MeV から 50MeV の範囲で、放射線源から 1m の距離で最大吸収線量率が 0.001Gy/s と 1Gy/s 間にあって、さらに、定格治療距離が放射線源から 50cm と 200cm の間の、X 線又は電子線の放射線ビームを照射する電子加速装置に適用。性能特性の決定及び公表のための試験手順を規定する。
対応国際規格: IEC 60976: 2007 Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Functional performance characteristics

JIS Z 4705: 2015
医用電子加速装置−安全
Medical electrical equipment Part 2-1: Particular requirements for the safety of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
この個別規格は、形式試験及び現地試験を含んでおり、それぞれ次に示す電子加速装置の製造及び設置のある段階に適用する。X 線及び/又は電子線の放射線ビームを投与する装置・定格エネルギーが 1MeV∼50MeV の範囲、線源から 1 m の位置での吸収線量率の最大値が 0.001Gy/s∼1Gy/s の範囲、線源からの定格治療距離(NTDS)が 0.5m∼2m の間。電子加速装置の電離放射線からの安全性、並びに強化された機械的及び電気的な安全性を確実にするための要求事項を定め、それらの要求事項への適合性を確認するための試験を規定する。対応国際規格: IEC 60601-2-1:2009+AMD1:2014 Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV JIS T0601-1: 2017
医用電気機器-第 1 部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項この規格は、医用電気機器(以下、ME 機器という。)及び医用電気システム(以下、 ME システムという。)の基礎安全及び基本性能について規定する。
対応国際規格: IEC 60601-1:2005/AMENDMENT 1:2012 (MOD) Medical electrical equipment-Part 1: General requirements for basic safety and essential performance 及び Amendment 1:2012(MOD)

JIS T14971: 2012
医療機器−リスクマネジメントの医療機器への適用
Medical devices-Application of risk management to medical devices
この規格は、製造業者が体外診断用医療機器を含む医療機器に関連するハザードを特定し、リスクの推定及び評価を行い、これらのリスクをコントロールし、そのコントロールの有効性を監視する手順について規定する。この規格の要求事項は、医療機器のライフサイクルのいずれの段階にも適用することができる。この規格は、臨床的判断には適用しない。
対応国際規格: ISO 14971: 2007 Medical devices -- Application of risk management to medical devices

JIS T 0601-1-2: 2018
医用電気機器―第1-2部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:電磁妨害―要求事項及び試験
Medical electrical equipment -- Part 1-2: General requirements for basic safety and essential performance -- Collateral Standard: Electromagnetic disturbances --
Requirements and tests
この規格は、医用電気機器及び医用電気システム(以下、機器及びシステムという。)に対してだけ適用する。
機器及びシステムの電磁両立性の一般的要求事項及び試験を規定しかつ個別規格の電磁両立性の要求事項及び試験を追加する必要がある場合に基礎を与えることにある。
対応国際規格: IEC 60601-1-2:2014,Medical electrical equipment−Part 1-2: General requirements for basic safety and essential performance−Collateral Standard:
Electromagnetic disturbances−Requirements and tests(IDT)

JIS T0601-2-64: 2016
医用電気機器−第 2-64 部:粒子線治療装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項
Medical electrical equipment-Part 2-64: Particular requirements for the basic safety and essential performance of light ion beam medical electrical equipment
この規格は、患者の治療に用いる粒子線 ME 機器(以下、特に断らない限り、ME 機器は粒子線 ME 機器を指す。)の基礎安全及び基本性能について規定する。
この個別規格の目的は、10MeV/n∼500MeV/n の範囲の粒子線 ME 機器の基礎安全及び基本性能の要件を規定し、これらの要件の適合性を確認する試験を規定する。対応国際規格: IEC 60601-2-64:2014,Medical electrical equipment−Part 2-64:
Particular requirements for the basic safety and essential performance of light ion beam medical electrical equipment(IDT)

JIS Q13485: 2018
医療機器―品質マネジメントシステム―規制目的のための要求事項
Medical devices -- Quality management systems -- Requirements for regulatory purposes
この規格は,組織が顧客要求事項及び適用される規制要求事項を一貫して満たす医療機器及び関連するサービスを提供する能力を実証する必要がある場合の品質マネジメントシステムの要求事項について規定する。そのような組織は,医療機器の設計・開発,製造,保管及び流通,据付け,附帯サービス,並びに関連する活動(例 技術支援)の設計・開発及び提供を含む医療機器のライフサイクルの一つ以上の段階の活動に関わることができる。
対応国際規格: ISO 13485:2016,Medical devices−Quality management systems−Requirements for regulatory purposes(IDT)

1.3 粒子線治療装置に関する国際規格
1) X-ray therapy:
IEC 60601-2-1:2009+AMD1:2014 CSV Consolidated version
Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
IEC 60976:2007
Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Functional performance characteristics
IEC TR 60977:2008
Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Guidelines for functional performance characteristics 2) Performance:
IEC 60601-2-68:2014
Electrical medical equipment - Part 2-68: Particular requirements for the basic safety and essential performance of X-ray-based image-guided radiotherapy equipment for use with electron accelerators, light ion beam therapy equipment and radionuclide beam therapy equipment
IEC 61217:2011
Radiotherapy equipment - Coordinates, movements and scales 3) Particle therapy:
IEC 60601-2-64:2014
Medical electrical equipment - Part 2-64: Particular requirements for the basic safety and essential performance of light ion beam medical electrical equipment
IEC 62667:2017
Medical electrical equipment - Medical light ion beam equipment - Performance characteristics
4) Treatment planning:
IEC 62083:2009
Medical electrical equipment - Requirements for the safety of radiotherapy treatment planning systems
IEC 62274:2005
Medical electrical equipment - Safety of radiotherapy record and verify systems
IEC TR 61852:1998
Medical electrical equipment - Digital imaging and communications in medicine (DICOM) - Radiotherapy objects 5) Radiotherapy simulators:
IEC 60601-2-29:2008
Medical electrical equipment - Part 2-29: Particular requirements for the basic safety and essential performance of radiotherapy simulators
IEC 61168:1993
Radiotherapy simulators - Functional performance characteristics 6) Electronic brachytherapy:
IEC 60601-2-8:2010+AMD1:2015 CSV Consolidated version
Medical electrical equipment - Part 2-8: Particular requirements for the basic safety and essential performance of therapeutic X-ray equipment operating in the range 10 kV to 1 MV

1.4 IEC/TC 62/SC 62C(Equipment for radiotherapy, nuclear medicine and radiation dosimetry)で公表の放射線治療、核医学、放射線計測関連国際規格
http://www.iec.ch/dyn/www/f?p=103:22:15863561213597::::FSP_ORG_ID,FSP_LANG_ID:
1362,25(2019/06/23 アクセス)
IEC 60580:2000
Medical electrical equipment - Dose area product meters
IEC 60601-2-1:2009+AMD1:2014 CSV
Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
IEC 60601-2-1:2009
Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
IEC 60601-2-1:2009/AMD1:2014
Amendment 1 - Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
IEC 60601-2-8:2010+AMD1:2015 CSV
Medical electrical equipment - Part 2-8: Particular requirements for the basic safety and essential performance of therapeutic X-ray equipment operating in the range 10 kV to 1
MV
IEC 60601-2-8:2010
Medical electrical equipment - Part 2-8: Particular requirements for basic safety and essential performance of therapeutic X-ray equipment operating in the range 10 kV to 1
MV
IEC 60601-2-8:2010/AMD1:2015
Amendment 1 - Medical electrical equipment - Part 2-8: Particular requirements for the basic safety and essential performance of therapeutic X-ray equipment operating in the range 10 kV to 1 MV
IEC 60601-2-11:2013
Medical electrical equipment - Part 2-11: Particular requirements for the basic safety and essential performance of gamma beam therapy equipment
IEC 60601-2-17:2013
Medical electrical equipment - Part 2-17: Particular requirements for the basic safety and essential performance of automatically-controlled brachytherapy afterloading equipment
IEC 60601-2-29:2008
Medical electrical equipment - Part 2-29: Particular requirements for the basic safety and essential performance of radiotherapy simulators
IEC 60601-2-64:2014
Medical electrical equipment - Part 2-64: Particular requirements for the basic safety and essential performance of light ion beam medical electrical equipment
IEC 60601-2-68:2014
Electrical medical equipment - Part 2-68: Particular requirements for the basic safety and essential performance of X-ray-based image-guided radiotherapy equipment for use with electron accelerators, light ion beam therapy equipment and radionuclide beam therapy equipment
IEC 60731:2011+AMD1:2016 CSV
Medical electrical equipment - Dosimeters with ionization chambersas used in radiotherapy
IEC 60731:2011
Medical electrical equipment - Dosimeters with ionization chambers as used in radiotherapy
IEC 60731:2011/AMD1:2016
Amendment 1 - Medical electrical equipment - Dosimeters with ionization chambers as used in radiotherapy
IEC 60976:2007
Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Functional performance characteristics
IEC TR 60977:2008
Medical electrical equipment - Medical electron accelerators - Guidelines for functional performance characteristics
IEC 61168:1993
Radiotherapy simulators - Functional performance characteristics
IEC TS 61170:1993
Radiotherapy simulators - Guidelines for functional performance characteristics
IEC 61217:2011
Radiotherapy equipment - Coordinates, movements and scales
IEC 61267:2005
Medical diagnostic X-ray equipment - Radiation conditions for use in the determination of characteristics
IEC 61303:1994
Medical electrical equipment - Radionuclide calibrators - Particular methods for describing performance
IEC 61303:1994/COR1:2016
Corrigendum 1 - Medical electrical equipment - Radionuclide calibrators - Particular methods for describing performance
IEC 61674:2012
Medical electrical equipment - Dosimeters with ionization chambers and/or semiconductor detectors as used in X-ray diagnostic imaging
IEC 61675-1:2013
Radionuclide imaging devices - Characteristics and test conditions - Part 1: Positron emission tomographs
IEC 61675-2:2015
Radionuclide imaging devices - Characteristics and test conditions - Part 2: Gamma cameras for planar, wholebody, and SPECT imaging
IEC 61676:2002+AMD1:2008 CSV
Medical electrical equipment - Dosimetric instruments used for non-invasive measurement of X-ray tube voltage in diagnostic radiology
IEC 61676:2002
Medical electrical equipment - Dosimetric instruments used for non-invasive measurement of X-ray tube voltage in diagnostic radiology
IEC 61676:2002/AMD1:2008
Amendment 1 - Medical electrical equipment - Dosimetric instruments used for non-invasive measurement of X-ray tube voltage in diagnostic radiology
IEC TR 61852:1998
Medical electrical equipment - Digital imaging and communications in medicine (DICOM) - Radiotherapy objects
IEC TR 61948-1:2016
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 1: Gamma radiation counting systems
IEC TR 61948-2:2001
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 2: Scintillation cameras and single photon emission computed tomography imaging
IEC TR 61948-3:2018
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 3: Positron emission tomographs
IEC TR 61948-4:2019 RLV
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 4: Radionuclide calibrators IEC TR 61948-4:2019
Nuclear medicine instrumentation - Routine tests - Part 4: Radionuclide calibrators
IEC 62083:2009
Medical electrical equipment - Requirements for the safety of radiotherapy treatment planning systems
IEC 62274:2005
Medical electrical equipment - Safety of radiotherapy record and verify systems
IEC 62467-1:2009
Medical electrical equipment - Dosimetric instruments as used in brachytherapy - Part
1: Instruments based on well-type ionization chambers
IEC 62667:2017
Medical electrical equipment - Medical light ion beam equipment - Performance characteristics
IEC TR 62926:2019
Medical electrical system - Guidelines for safe integration and operation of adaptive external-beam radiotherapy systems for real-time adaptive radiotherapy


APPENDIX 2 関連通知
・薬生機審発 0523 第 2 号別紙 5 令和元年 5 月 23 日
「ホウ素中性子捕捉療法用加速器型中性子照射装置システムに関する評価指標」
・薬食監麻発 0827 第 4 号 平成 26 年 08 月 27 日「薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の改正について」
・薬食発第 0401046 号 平成 17 年 4 月 1 日「加速器システム承認基準の制定について」
・薬食発第 1120 第 5 号 平成 26 年 11 月 20 日「医療機器の製造販売承認申請について」
・薬食安発 1002 第 1 号 平成 26 年 10 月 2 日「医療機器の添付文書の記載要領(細則)について」
・平成 25 年厚生労働省令第 11 号「薬事法施行規則及び医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令の一部を改正する省令」

国内関連GL

海外関連GL

WG開始年月

WG終了年月

WGメンバー

座長 熊田博明  筑波大学 医学医療系 生命医科学域 准教授
大竹淑恵  国立研究開発法人理化学研究所 光量子工学研究センター中性子ビーム技術開発チーム チームリーダー
片岡昌治  住友重機械工業株式会社産業機器事業部 設計部 医療戦略 G グループリーダー 主席技師
鬼柳善明  名古屋大学 大学院 工学研究科加速器 BNCT 用システム研究講座 特任教授
佐藤岳美  住友重機械工業株式会社 産業機器事業部 治験統括責任者 主席技師
櫻井良憲  京都大学複合原子力科学研究所 粒子線腫瘍学研究センター粒子線医学物理学研究分野 准教授
鈴木 実  京都大学複合原子力科学研究所 粒子線腫瘍学研究センター粒子線腫瘍学研究分野 教授
田中憲一  広島大学大学院工学研究科 機械物理工学専攻エネルギー工学講座 量子エネルギー工学研究室 准教授
田中浩基  京都大学複合原子力科学研究所 粒子線腫瘍学研究センター粒子線医学物理学研究分野 准教授
谷崎直昭  住友重機械工業株式会社 産業機器事業部 主席技師
中井 啓  筑波大学医学医療系 臨床医学域 放射線腫瘍科 准教授
中村浩之  東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 教授
林崎規託  東京工業大学 科学技術創成研究院 先導原子力研究所 教授
平田 寛  東芝エネルギーシステムズ株式会社 原子力事業部 技術統括 参事
藤井 亮  株式会社 CICS 取締役
増永慎一郎 京都大学複合原子力科学研究所 放射線生命科学研究部門粒子線生物学研究分野 教授
米内俊祐  国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所
         加速器工学部 照射システム開発チーム チームリーダー

報告書(PDF)

2019-E-DE-053-H30-報告書
2019-E-DE-053-H29-報告書

報告書要旨(最新年)

承認済み製品(日本)

承認済み製品(海外)

製品開発状況

Horizon Scanning Report