遺伝子発現解析用DNAチップ開発ガイドライン2012

ガイドラインID 2012-E-DI-020
発出年月日
発出番号
WG名 テーラーメイド医療用診断機器分野 遺伝子発現解析用DNAチップ開発WG
制度名 医療機器等開発ガイドライン策定事業(開発ガイドライン)
製品区分 医療機器
分野

テーラーメード医療用診断機器

GL日本語版ファイル

2012-E-DI-020 遺伝子発現解析用DNAチップ 開発ガイドライン2012

英文タイトル
GL英語版ファイル

GL:イントロ・スコープ

1.概要

1.1 遺伝子発現解析用 DNA チップ
DNA チップは、基板の上に特定の塩基配列を持った DNA を高密度に配置し、固定したものである。この DNA をプローブとして、検体標品を精製・標識など前処理したものに対して反応させ、その反応物をレーザー光や電気的・化学的検出法によって高感度に検出する。これによって多数の遺伝子や多型DNAについて網羅的な解析を可能にするものである。遺伝子発現解析用DNAチップは遺伝子発現をもとに遺伝子の機能状態についての網羅的な解析を目的としたものであり、その解析対象は遺伝子型解析の対象であるゲノム DNA などとは異なり、主に RNA、もしくは、それを調製した試料である。

1.2 本ガイドラインの目的と範囲
DNA チップは、近年の技術的進歩によって、基礎研究用のみならず、あらゆる疾患の検査・診断や各種薬剤感受性の検査などに利用されるようになってきており、新たなジャンルの次世代医療機器として期待されている。一方で、DNA チップは信頼性や再現性、標準化など臨床現場に広く導入するにはまだ問題も多い。これらの問題点を解決し、医療機器として DNA チップの開発意欲を向上させ、DNA チップ及び関連機器の開発を促進し活性化することを目的に、まず遺伝子型(ジェノタイピング)検定用 DNA チップについて「テーラーメイド医療用診断機器(DNA チップ)開発ガイドライン 2007」を策定し、公表した(平成 19 年 5 月、経済産業省)。今回は、遺伝子発現解析用 DNA チップに焦点をあて、医療機器としての遺伝子発現解析用DNAチップ及び関連機器の開発の促進・活性化を目的に、その指標となるためのガイドラインを策定する。
遺伝子発現解析用 DNA チップによる検査・診断への応用としては、疾患の早期発見・早期診断、客観的疾患分類・確定診断、治療法選択、病状変化把握や治療効果モニタリングなどが考えられる。臨床検査や診断などの実臨床で DNA チップを用いる場合、得られるデータの高い信頼性や再現性が重要であり、判定ミスや判定の曖昧さを極力排除しなければならない。特に遺伝子発現解析用 DNA チップの解析対象である RNA は不安定な物質であるため、検体の保管・運搬及び前処理を含めた取り扱いにおける質保証、さらに再現性や信頼性の確保など様々な問題点がある。この点については後に項目別に述べる。
DNA チップは専用の測定装置とともに使用され、複数遺伝子の測定値をアルゴリズムに基づいて解析し、医療情報として提供する。DNA チップおよび関連装置の開発の促進には、高性能な測定装置の開発だけでなく、データの互換性や精度や再現性の向上のための標準化も必要であり、またチップや装置の評価法についても指針が必要と思われる。そこで、本ガイドラインではチップを含めた測定装置、その評価方法、標準化と大きく 3 つの項目にわけて記述する。

1.3 検査対象とリスク
検査対象は患者及び検査を希望する健常人であり、その血液、生検組織、手術採取標品、病理検査用パラフィン包埋標品などが考えられる。特に生材料の採取にはその迅速性、適切な保存処理がその後の解析に決定的な影響を与えると考えられ、そのプロトコルの標準化が重要な問題である。得られた測定結果は疾患の診断、治療法選択、病状経過や薬剤効果のモニターなどの参考となる。また、検体の採取には侵襲を伴うため、その負担とリスクを軽減する工夫や事故の補償に配慮すべきである。RNA が解析対象であってもそこから一部のゲノム情報も得ることができるため、遺伝子型解析と同様に個人情報保護に注意する必要がある。

1.4 先行事例
遺伝子発現解析用 DNA チップの臨床応用がすでに始まっている例として、国外で開発された乳がんの治療法選択に用いられる MammaPrint があり、本邦でも保険適用外ではあるが一部医療機関で用いられつつある。また、DNA チップとは異なるが、同様に乳がんの治療法の選択の際の指標として、RNA を対象とした複数遺伝子の発現解析診断キットとして
RT-PCR 法を基礎とした製品 Oncotype DX が実用化されている。

GL:本体

2.測定装置(チップと装置)
2.1 原理と構造
(1)遺伝子発現解析用 DNA チップの検出原理
RNA の検出方式、装置で検出する出力信号を生み出す機構について詳細に検討する。

(2)チップと装置の構造
基板やプローブ DNA などチップを構成する主要素の仕様や形状・サイズ・構造などについて検討すること。特にプローブ DNA に関しては、Tm(melting temperature)値、GC(グアニン・シトシン)比、配列の特異性や長さなど、プローブ設計の要件について検討すること。また、PNA や LNA などの人工核酸を用いる場合はその化学的性質についても検討することが望ましい。また装置に関しては、装置本体の構成、装置を構成する各構成要素の仕様、機能の概略などについて検討すること。




2.2 方法
(1)検出の概要
プロトコル、即ち検体の準備から、検出・判定に至る全工程の流れ、特に RNA 抽出・RNA 増幅・標識等のチップ・ 装置に導入する前工程、チップ・装置へのセッティング、装置での処理手順(処理条件)、信号から判定を導く工程等について技術的に詳細に検討すること。装置での処理は、マニュアル操作と自動操作の区別も明記し、操作におけるリスクについても評価することが望ましい。

(2)装置の機能
信号検出特性に影響を与える可能性の高い温度制御機構、試薬送液機構、測定系、機械動作機構などは、各機構の動作、性能、役割を技術的に評価すること。また標準物質を用いて測定装置の評価や基準光源などの基準信号源による測定装置自体の校正を行うことが望ましい。


2.3 特異性、感度・ダイナミックレンジ、再現性
(1)特異性
他の手法の解析により配列や濃度が既知である試料を用いて、実験的に DNA チップの特異性を検討すること。実験での評価が困難な場合は、DNA プローブの選定プロセスを詳細に説明することが望ましい。また、目的遺伝子以外と交差反応する可能性がある場合は、そのリスクについても検討することが望ましい。

(2)感度・ダイナミックレンジ
標準検体、標準物質などを用いて、検出系の検出限界濃度やダイナミックレンジを検討すること。この際、使用した DNA チップと検出装置、反応プロトコル、検出条件などを明記することが望ましい。

(3)再現性
DNA チップ、および検査システムによって得られるデータの再現性は十分に検証すること。再現性試験は、以下の項目について行うことが望ましい。
・有意な再現性を統計学的に判断するため、同一と見なされる試料に対し、少なくとも3つ以上の測定データを得ること
・検体は、複数の施設から収集すること
・再現性試験で使用される手順が、添付文書に記載される予定の手順と同様であること
・複数の製品ロットを使用すること

(4)検査の品質管理
適切な陽性対照、陰性対照を設け、各種対照の意義、それらの結果がもたらす管理項目について技術的に検討すること。また、検査機器の設定条件に対するモニタリング方法及びフィードバック方法を検討し、所定の条件で検査が実施されていることをどのように管理されているか説明すること。各コントロール、モニタリング、フィードバックにより得
られる情報から、異常データとその管理方法を想定することが望ましい。

(5)その他、性能特性に影響する要因
DNA チップを含めた測定における交差汚染には、別検体・別試料の混入の二者があり得るが、それぞれの予防に対してとるべき操作環境・設備・手順について技術的に検討し、また、交差汚染を評価するための試験を実施しその結果を残すことが望ましい。
検体に含まれる潜在な干渉物質は、必ずしも試料の調製によって除去できるとは限らず、試料の調製、または DNA チップでの検出に干渉する場合もある。したがって、干渉物質が検出性能に及ぼす影響について特性評価をすることが望ましい。なお検査中の各種条件について、その設定根拠、特に RNA の定量に対する安定性について検討すること。

2.4 必要とするサンプル・検体、その前処理・保存等、試薬について
(1)検体
検体の品質が RNA の品質や RNA 増幅・標識に大きく影響するため、RNA を得る検体の種類(例えば血液、組織)およびその採取方法、採取量について検討すること。また検体の管理・保管方法については検討することが望ましい。

(2)検体の前処理
検体から RNA を抽出・精製する方法について検討すること。また RNA の分解を防ぐための留意点を記すとともに、使用する RNA の品質の評価法について明記して測定結果を保証できる RNA の品質基準を設定すること。なお RNA をなんらかの増幅法で増幅した上で用いる場合には、その増幅法と使用する試薬について検討すること。増幅した RNA を標識した上で後段の反応に使用する場合には、その処理法と使用する試薬について検討すること。

(3)サンプルの保存法
検体、精製 RNA、増幅 RNA、標識 RNA、といったすべての段階のサンプルについて、保管法及び輸送法を検討すること。すなわち、保管・輸送に適した温度と性能を維持できる期間について明記すること。


(4)試薬
RNA の抽出・検査など各工程で使用される試薬について、その種類・濃度などに関して検討することが望ましい。試薬を DNA チップと共に提供する場合、再現性、精度等に対する試薬の影響について、プロセスの各段階で検証した結果を残すことが望ましい。試薬を DNA チップと共に提供しない場合には、DNA チップ使用者が適切な試薬を選択できるよう、必要な試薬の仕様および RNA の品質と量を評価するための方法・仕様を技術的に検討すること。

(5)試薬の保存性・安全性
各工程の反応に使用される試薬の保管法・輸送法についても検討すること。また各工程で使用される試薬の安全性、および安全な取り扱いに必要な注意事項を検討することが望ましい。

2.5 ソフトウェア
(1)装置を構成するソフトウェアの概要
装置のソフトウェア構成、その機能、関係性について技術的に検討すること。その際、ユーザが直接操作する部分、機器を制御する部分、データの解析を行う部分、データの管理を行う部分等について、項目に分けて記述すること。また、更にはユーザが操作ミスをした場合の動作、機器に異常が発生した場合の動作、停電発生時・停電復帰時の動作等、
正規の操作・動作以外の状況発生時の対応についても検討することが望ましい。

(2)判定アルゴリズムの原理と概要
判定アルゴリズムについて検討すること。その際、判定に用いるプローブ DNA の種類、各プローブの重複数、判定に用いる測定値の定義、各プローブの測定値から判定を行うためのアルゴリズム、判定に必要な基準値の定義とその設定における統計学的な根拠、最終的な判定結果とその信頼度を検証すること。

2.6 データ処理
本装置を用いて取得したデータは、トレーサビリティの観点から、検査日時、検体 ID、 DNA チップ及び試薬ロット、検査プロトコル、測定装置の対応が付けられるようにデータ管理されていること。

2.7 品質管理
(1)DNA チップ
保存方法、保存期間、安定性など、DNA チップの品質に関わる基本情報、チップに固定するプローブ DNA の品質管理について検討すること。特に DNA チップの品質管理に関連しては、ISO/NP16578 規格名称「マイクロアレイを用いた特定核酸配列の検出に関する一般的定義と要求事項」や GMP/QMS(ISO13485)などの製造管理/品質管理体制を検討することが望ましい。
(2)検査装置
装置の校正方法、校正(検査)頻度、校正に用いる標準物質、合格規格、交換部品など、検査装 置の品質に関わる基本情報、検査装置の品質管理に関連した GMP/QMS(ISO13485)などの製造管理/品質管理体制に関して、検討することが望ましい。

3.評価法
3.1 評価項目
当該 DNA チップの評価法としては、以下の項目を含むことが望ましい。
① 他発現解析手法との比較
② データ解析、解析ソフト
③ 有意差の検定
④ 比較試験・臨床評価試験
⑤ 判定アルゴリズム
⑥ データ管理
⑦ 安全性

3.2 他の発現解析手法との比較
DNA チップの評価にあたっては、他の遺伝子発現の解析法と比較検討すること。原則として試料の種類、試料数、試料の調製法あるいは起源、試料の使用目的(特異性など)等の記録を残すことが望ましい。また比較は診断上重要な遺伝子について重要性を言及した後、該遺伝子を対象に、少なくとも 1 種類の同一と見なされる RNA を鋳型にして定量する方法により行い、両者の一致率を遺伝子ごとに検討することが望ましい。遺伝子定量法としては、当該プラットフォーム以外の一般的な手法、もしくは性能が確認されている承認済みの他の DNA チップ等を用いることができる。

3.3 データ解析、解析ソフトについて
解析ソフトについては、同一データから同一の結果が得られること。その再現性を保証するためには、アルゴリズムを明確に表現すること。具体的には正規化の手法、データ補正の方法、マーカー遺伝子の抽出方法、判定の方法などを数式等で表し、数値化したデータに基づき判定されることが望ましい。

3.4 有意性の検定
データの解析法、解析評価に用いたソフトウェア、および統計分析に関して検討することが望ましい。なおデータの処理、解析ソフトウェアについては、詳細を記した説明書を作成すること。失敗事例(判定不能、器具の故障、試薬の不具合等に起因するもの)に関しても分析することが望ましい。また一致率の基準としては、他の診断薬が存在する場合は正答率を一応の目安とする。

3.5 比較試験・臨床評価試験
分析内および分析間の再現性を特徴付けられるような試験を設計し、その結果を検討すること。その際に、以下の点に留意することが望ましい。
・実用での濃度に近い、複数の RNA 濃度における適切な試料を使用すること
・検査現場で実際に用いられる検体(例えば血液、組織など)から処理すること
・DNA チップ、および検査システムによって得られるデータの再現性は十分に検証すること
・有意な再現性を統計学的に判断するため、同一と見なされる試料に対し、少なくとも3つ以上の測定データを得ること
・検体は、複数の施設から収集すること
・その他、一般的な臨床生化学検査での再現性試験に準じること
・測定する試料の組成および RNA 濃度に近い陽性対照及び陰性対照を用いて調べること

3.6 判定アルゴリズム
DNA チップを用いた診断においては、複数遺伝子の発現パターンよりアルゴリズムで判定を行う。アルゴリズム作成に必要な検体数について規定はないが、アルゴリズムの検証のための臨床性能試験は、一般の既存の体外診断薬に関する基準に基づき、複数施設から収集したサンプルを用いた統計的有意差を示すデータの提出が要求される。ただし、患者数が限られている場合や、より少ない症例数で有効性が十分に示される場合は、その科学的根拠に基づいて説明すること。

3.7 データの管理について
最終的な結果の出力だけではなく、結果出力前の画像ファイルや数値データ等を保存すること。なお信号の検出・分析、データ保存については、プライバシーとセキュリティを十分に確保することが望ましい。また結果に疑問が生じた場合には、データ処理段階毎に確認が可能となることが望ましい。

3.8 安全性について
交差汚染を評価するための試験を実施して結果を残すとともに、判定に失敗した場合、あるいは判定結果の解釈に失敗した場合のリスクも評価し、その際に用いたリスク分析手法についても検討すること。
4.標準物質
4.1 目的
遺伝子発現解析用 DNA チップ開発にあたって用いる標準物質は、当該開発品を用いた遺伝子発現解析データの信頼性が確保されることを担保し、評価に耐えうる臨床試験での事
例数と複数機関において検討されたデータから臨床上の有効性を確認すること。

4.2 標準物質に求められる要件
DNA チップ開発に用いられる標準物質は、特性の異なる様々なチップ技術の性能評価および結果表示のためのアルゴリズム検討の参照として用いる一次標準物質と、当該開発品製造時のトレーサビリティの確認や日常検査における精度管理に用いる二次標準物質とする。従って、当該開発品製造業者は、一次標準物質を品質管理用内部標準物質とし、二次標準物質を設定し、これを用いて性能の確認を行う。

4.2.1 標準物質の選定
(1)一次標準物質(認証標準物質)の選定
一次標準物質は、特定の遺伝子配列をコードしない人工 RNA 配列を用い、ISO Guide34 に適合する品質システムに基づいて生産された認証標準物質であり、国家計量機関や公的研究機関から頒布されたものとする。

(2)二次標準物質の選定
二次標準物質には、対象遺伝子と遺伝子発現量の相対比較に使用されるコントロール配列を含むものとする。また、任意の遺伝子配列を含まないスパイクイン標準物質を設定することで、DNA チップの互換性、校正にも使用できる。対象遺伝子およびコントロール配列については、感染症や疾病に関与するものや識別に用いられる遺伝子配列であり、安定性に優れ、増産が可能である配列が適用され、当該開発品の性能評価が可能な部分の遺伝子配列が含まれていれば良いものとする。
なお、全配列長などの仕様は、被評価対象開発品の特性に合わせて開発者により決定されても差し支えないものとするが、統一された測定条件(細胞溶解用緩衝液、プロテアーゼ、制限酵素など、抽出試薬に関する品質管理方法及びRNA の標準処理手順マニュアル)が設定されることが望ましい。

4.2.2 標準物質の管理
(1) 品質管理
一次標準物質は、選定時に開発する機関が cDNA シークエンシングなどの方法により配列を確認する。同様に、一次標準物質を酵素合成などにより複製する場合は、開発する機関において複製ロットごとに遺伝子配列の確認を行うことにより相同性を担保するものとする。一次標準物質を使用する際は、認証書等に記載された内容に従って、取り扱うものとする。二次標準物質の複製を行う場合には、適切な頻度で遺伝子配列を確認する。また、一部 DNA を対象とする場合は、RNA と同様に複製ロットごとに遺伝子配列を確認する。
(2) 純度
RNA の合成については、酵素合成法などの一般的な方法を行い、目的とした遺伝子配列が合成されていることを質量分析(TOF-MS)や HPLC、電気泳動法により確認する。二次標準物質の設定時には、用いる一次標準測定法に応じて、対象となる測定物質がバックグラウンドとしてどの程度含まれているか確認する。
(3) 濃度単位
二次標準物質を設定する場合、一次標準測定法を用いて溶液に含まれる核酸の質量あるいは物質量の濃度として認証されることが望ましい。また、必要に応じて、デジタル PCR 法などを用いたコピー数を参考情報として表記することが望ましい。さらに、外部標準物質を感度試験に用いる場合には、核酸定量法により求められた既知濃度(理論値)の標準物質を用いて希釈検体を作製し、検出感度の検定を行う。なお、核酸定量は、吸光度法(OD
260)以上の精度を有する測定法により実施することが望ましい。

4.2.3 外部標準物質の入手
国内において、臨床検査における遺伝子関連検査については日本臨床検査標準協議会(JCCLS)が「遺伝子関連検査検体品質管理マニュアル」を公開し、その中で検査対象遺伝子疾患を紹介している。また、DNA チップの標準化に関するコンソーシアムは、国内ではバイオチップコンソーシアム(JMAC)、米国では MAQC(MicroArray Quality Control)コンソーシアムや ERCC(External RNA Control Consortium)、欧州では EMERALD(Empowering the Microarray-based European Research Area to Take a Lead in Development and Exploitation)コンソーシアムと業界関連団体が検討を進めており、データベースとの連携をするコンソーシアムも存在する。こうした検査対象の遺伝子配列情報を、国内公的機関、例えば産業技術総合研究所が入手し、ライブラリとして保存及び管理を行い、必要に応じて JMAC などと連携して該開発品の機能評価を受託業務として実施する。なお、ヒトゲノムサンプルの保存中または培養による後天的変異を監視するための定期的な検査も管理業務に含めるものとする。

GL:付属資料

引用関連規格

国内関連GL

海外関連GL

WG開始年月

WG終了年月

WGメンバー

座長   林 慎一 東北大学大学院医学系研究科 教授
  秋山 英雄 東レ株式会社先端融合研究所 主任研究員
油谷 浩幸 東京大学先端科学技術研究センター 教授
楠岡 英雄 国立病院機構大阪医療センター 院長
  久原 哲 九州大学大学院農学研究院 教授
  桑 克彦 日本臨床検査標準協議会(JCCLS) 理事
  橋本 幸二 株式会社東芝 ディスプレイ部品材料統括部 新デバイス開発センター グループ長

報告書(PDF)

改訂版あり 遺伝子発現解析用DNAチップ 改訂版 開発ガイドライン2012
2012-E-DI-020-H22-報告書
2012-E-DI-020-H21-報告書

報告書要旨(最新年)

承認済み製品(日本)

(医療機器クラスⅠ・Ⅲ) 遺伝子多型解析キット「AmpliChip CYP 450」(ロッシュ社) チップ:体外診断用医薬品(クラスⅢ)、解析装置:医療機器(クラスⅠ) 日本申請日:2007年2月、日本承認日:2009年5月 ヒトパピローマウイルス核酸タイピングキット「クリニチップHPV」(第一化学薬品㈱、㈱東芝、東芝ホクト㈱) 日本申請日:2007年5月31日、日本承認日:2009年7月30日

承認済み製品(海外)

製品開発状況

製品に関連する規格:ISO 21474-1:2020(医療用バイオチップ実用化促進に向けたヒト核酸の測定プロセスに関する国際標準化((特非)バイオチップコンソーシアム))

Horizon Scanning Report