高生体適合性(カスタムメイド)人工股関節 開発ガイドライン 2012

ガイドラインID 2012-E-DE-015
発出年月日
発出番号
WG名 平成22年度 体内埋め込み型材料分野 高生体適合性インプラント開発WG
制度名 医療機器等開発ガイドライン策定事業(開発ガイドライン)
製品区分 医療機器
分野

体内埋め込み型材料

GL日本語版ファイル

2012-E-DE-015 高生体適合性 カスタムメイド 人工股関節の開発ガイドライン2012

英文タイトル
GL英語版ファイル

GL:イントロ・スコープ

1. 序 文
人工股関節(人工骨頭を含む)を必要とする患者の急速な増加に伴い、骨格および骨形状には個体差があるため、患者個々の骨格構造および症状等に可能な限り適合化したカスタムメイド製品の開発が求められている。カスタムメイド製品の活用により、可能な限り骨を温存した治療の実現、固定力および適合性の向上、耐用年数の向上、低侵襲手術の実現、早期リハビリの実現など数々の患者に対するメリットが増加する。
2. 適応範囲
このガイドラインは、カスタムメイド人工股関節(人工骨頭を含む)を開発する際に有用となる開発指針を示すことを目的として、開発可能なカスタム製品の種類、製造可能な条件、製品化のプロセス、力学的安全性を検証するために有効な機械的試験方法などに関して記述する。

GL:本体

4. 用語および定義
本開発ガイドラインで用いる主な用語および定義は、人工股関節の審査ガイドラインなどに基づく。また、次のように定義する。
4.1 カスタムメイド人工股関節(custom-made artificial hip joint prostheses)
臨床的にカスタム化が必要な場合に医師との連携により、基本性能を維持しつつ既製品を基礎として、患者個々の骨形状に応じて不適合な部分が存在する場合に必要最小限の改善(ミニマリーモディファイド)を加え、生体適合性、固定性などを向上させた人工股関節(附属書 A 参照)。
特に、附属書 B に示す症例において効果的となる。類義語として、テーラーメイド(tailor-made)およびオーダーメイド(order-made)がある。
5.カスタムメイド人工股関節の種類
表 1 に開発可能なカスタムメイド製品の例を示す。表 1 は、患者個々の骨形状に最適化するための 3 次元方向のカスタムメイド化を示しており、摺動部の組合せに関しては、基本製品と同一の組合せを基本とする(附属書 C 参照)。

表 1 カスタムメイド化の項目

6. 製造可能な条件
製造可能な条件としては、以下を満足する必要がある。
① 基本となるインプラントの承認・製造販売の実績を有する。
② 医師との密接な連携により、患者個々の骨格構造および症例などに応じて、カスタムメイド製品を製造できる技術を有する。
③ カスタムメイド製品の力学的安全性(機械的性質)の検証(確認)および品質を検査できる技術を有する。
④ 必要とする期間内にカスタムメイド製品を製造できる技術を有する。

7. 製品化のプロセス
7.1 製造プロセス
製造は、医師との密接な連携により行い、その手順は次による。
① X 線写真もしくは CT などにより、製造に必要となる骨格構造などの画像情報を入手する。
② 骨格との適合性、併用する手術器械(リーマー等)および手術のしやすさなどを考慮して、患者に最適なインプラントの製品デザイン案および製造法案などを作成する。
③ 製品デザイン、製造法案および力学的安全性の検証方法などに関して医師の了承を得る。
④ 最適なインプラントを設計および製造する。
⑤ 製造された製品と設計デザインの整合性(一致性)および力学的安全性を確認するとともに確認データを保管する。
⑥ 手術前に医師の確認を行った後、臨床使用する。
なお、骨格構造および症例に応じて細くするなどの必要がある場合には、基本製品に比べて相対的なリスク情報の提供を行うこととする。
ただし、対象となる患者以外への適応を禁止する。

7.2 製品の製造
製品の製造に関しては、既製品と同等または自社で確立・承認された製造技術に基づく。
8. 機械的試験
カスタムメイド製品は、骨格構造との適合性が向上するため、一般的には耐久性の低下は少ないと考えられる。基本製品のワーストケースでの力学特性以上となる場合には、機械的試験は省略できる。力学的安全性が複数の項目で関わる場合でも製品化が可能で、その考え方に関しては、表 2 を参考とする。

表 2 カスタム化の項目および力学的安全性に対する考え方

GL:付属資料

附属書 A
(参考)
カスタムメイドの考え方
A.1 カスタムメイドの範囲
基本性能を維持しつつ、患者個々の骨格構造および症例などに応じて不適合な部分が存在する場合に最小限の改善を加える場合の製品開発の考え方(イメージ)を図 A.1 に示す。カスタムメイドには、患者個々に完全に適合させたフルカスタムメイドとミニマリーカスタムメイドが考えられるが、患者個々の状態に応じて不適合な部分が存在する場合に最小限の改善(ミニマリーモディファイド)を加えることで、最良の適合性および固定性を示す製品(ミニマリーカスタムメイド)を中心とする。また、図 A.1 に示した平均的な方向は、次形状の製品の基本性能をイメージしており、変更の範囲としては、20%程度が目安の一つと考えられる。

図 A.1 カスタムメイドの考え方

附属書 B
(参考)
カスタムメイド人工股関節を必要とする症例
B.1 必要とする症例
下記に示す要因などにより、骨形態および骨質が正常と異なる症例において、カスタムメイド人工股関節が必要となる。
Ⅰ.先天異常
①骨・関節の先天異常
②骨・関節の発育異常
③先天性骨系統疾患
④代謝性骨疾患等
Ⅱ.外傷
①骨折(変形治癒等)
②関節内骨折
Ⅲ.疾病骨・関節疾患
①感染症(重度骨欠損等)
②関節リウマチ(ムチランス型等)
③変形性関節症
④骨粗しょう症
⑤骨腫瘍
⑥その他
Ⅳ.再手術
① 先行する骨切り手術後の再手術
② 人工関節再置換

附属書 C
(参考)
人工股関節摺動部の耐久性および摺動特性
C.1 摺動部の耐久性試験
ISO 14242-11)において、股関節の動きをシミュレートした荷重波形(図 C.1(a))、屈曲/伸展、外転 /内転、内旋/外旋による角度変化などが規定されている(図 C.1 (b))。この条件を満足し、人工股関節摺動部の耐久性を評価するために開発した試験治具の例を図 C.1(c)に示す。図 C.1(c)に示した治具では、回転なしで荷重のみが負荷されるコントロールと、外転、内転、屈曲、伸長による回転運動をする試験試料をそれぞれ上下にセットできる。試験試料とコントロールは、ISO 14242-22) に規定された 25%血清 (子牛)水溶液に浸漬されており、溶液は、循環しつつ 37℃になるように溶液層下部に取り付けたヒータにより制御できる。

図 C.1 波形関節の動きをシミュレートする負荷波形(a)、 (b) および人工股関節シミュレーター装置(c)

C.2 摺動部の摺動特性の測定例
3 種類の超高分子量ポリエチレンライナーと Co-Cr-Mo 合金製骨頭 (全て 26 mm の骨頭径)とを組み合わせた摺動部を用い、摩耗特性を調べた。①A 社製、メタルカップ (内径:50 mm)、12 Mrad の電子線照射によりクロスリンクさせたポリエチレン(エレベート:10°)、②B 社製、メタルカップ (外径:50 mm)、11 Mrad の:線照射によりクロスリンクさせたポリエチレン(エレベート:10°)、 ③C 社製、メタルカップ (外径:50 mm)、ポリエチレン(エレベート:10°)クロスリンクなしを用いた。
試験条件は、1 Hz の周波数で、1×106 サイクルごとに試験を停止して、試験試料とコントロールを洗浄し、摩耗量を計測した。その後、再び試験機に取り付け、新しい血清水溶液に交換して、 5×106 サイクルまで試験を行った。摩耗量の計測に際しては、超純水中および中性洗剤中でそれぞれ 10 分間超音波洗浄を行ない、その後、超純水で十分濯いだ後、超純水中で 10 分間超音波洗浄し、更に濯いだ後、再度 3 分間超純水中で超音波洗浄を行った。エタノール中で 10 分間超音波洗浄を行い、その後、真空乾燥チャンバー内で十分に乾燥し、精密天秤(0.01 mg の精度)にて重量を測定した。
メタルオンポリエチレン摺動部での摩耗による重量変化を図 C.2 に示す。摩耗による重量変化の量は、試験試料の重量からコントロールの重量を減ずることにより補正した。試験結果には、2 個の試料での平均値と標準偏差を示した。荷重のみの負荷で回転なしのコントロールでは、クロスリンクの処理方法によりその量は異なるが、3 製品において、全てに水分吸収による重量増加がみられた。図 C.2 に示した A 社製および B 社製のクロスリンク処理ライナーでは、繰り返し回数が増加しても摩耗量の増加は小さかった。一方、C 社製のクロスリンク処理なしでは、繰り返し回数の増加にともない摩耗量の増加がみられた。
骨溶解が生じない線摩耗量に関しては、0.1 mm/年以下 3)-5)であることが推奨されている。体積摩耗量≒>(d/2)×a×?、ここで、a:臨床使用での線摩耗量(mm)、d=26 mm、?=0.936 mg/mm3、一日当りの平均的な歩行 5000 歩/2×365 日≒100 万回を考慮して、臨床での線摩耗量:0.1 mm/年を代入して、摩耗量を算出すると 50 mg/年(100 万回)となる。クロスリンク処理なしでの 100 万回当たりの摩耗量は、この値より小さかった。

図 C.2 メタルオンポリエチレン摺動部での摩耗による重量変化の測定例

参考文献
1) ISO 14242-1 Implants for surgery - Wear of total hip-joint prostheses - Part 1: Loading and displacement parameters for wear-testing machines and corresponding environmental conditions for test, 2002.
2) ISO 14242-2 Implants for surgery - Wear of total hip-joint prostheses - Part 2: Methods of measurement, 2000.
3) Thomas P, Schmalzried MD et al.: The multifactorial nature of polyethylene wear in vivo. J Bone Joint Surg 80A (8): 1234-1243, 1998.
4) Dumbleton JH, Manley MT et al.: A literature review of the association between wear rate and osteolysis in total hip arthroplasty. J Arthroplasty 17 (5): 649-661, 2002.
5) Manley MT, Dumbleton J: Bearing surface. In: Barrack RL, Booth RE et al. (Ed.), Orthopaedic Knowledge Update: Hip and Knee Reconstruction 3, American Academy of Orthopaedic Surgeons, 333-344, 2002.

附属書 D
寛骨臼シェル(ソケット)のカスタム化に対する機械的試験の考え方
図 D.1 を参考に寛骨臼シェルの形状の最適化に対する機械的性質の考え方を以下に示す。
寛骨臼シェルへの応力は、荷重/(寛骨臼シェルの断面積)となり、形状の最適化に伴い寛骨臼シェルの断面積が増加する場合がほとんどで、強度低下の懸念はない。ねじ穴位置、穴数、穴形状の最適化に関しては、多くの穴を有するマルチホールが既に認可されており、また、厚さが 5 mm 程度の半球状の金属素材(合金)で圧縮強度が高く、強度低下の懸念はない。スパイク、フィン、ペグ位置の最適化に関しては、スパイク、フィン、ペグの強度は、既承認品で立証されており、位置を最適化することで固定性は向上するので、強度低下の懸念はない。最小厚さ以上であり強度低下の懸念はない。
機械的試験が必要となる場合には、図 D.2 に示した固定具などを参考に強度試験を実施する。

図 D.1 寛骨臼シェルのカスタム化の例
図 D.2 寛骨臼シェル(ソケット)の機械的試験の例

附属書 E
大腿骨ステムのカスタム化に対する機械的性質の考え方
E.1 大腿骨ステムに作用する圧縮曲げ応力
大腿骨ステムに生じる圧縮曲げによる応力分布を図 E.1 に示す。体重等による荷重が、ステムに作用することでステムには、圧縮曲げモーメントが作用し、ステムの中心から外側で引張り力が、内側で圧縮力が発生し、それらの力は、ステム表面で最大となる。
ステムの曲げモーメント(M)とステム表面での最大応力(4max)の間には、次式の関係が成り立つ
(1)~ (5)。
M=P・S=K・4max・Z・・・・・・・・・・・・・・・(E-1)式
ここで、M: 曲げモーメント(N/mm)、K: 応力集中因子、S:レバーアーム(mm)、Z:断面係数 (断面が円の場合:Z=>/32d3、d:円の直径、楕円の場合:Z=>/32d1・d22、d1:楕円の短軸、d2:楕円の長軸)となる。 (E-1)式の4max にステム素材の 107 回疲労強度を用いることで、ステムの形状から耐久性を予測することが可能となる。応力集中因子は、スムーズな表面では、1 となる場合が多いが、プラズマ処理およびビーズコートなどの表面処理により変化し、1 より減少する。基礎となる(E-1)式の妥当性は、赤外線応力測定などにより実証されている。

図 E.1 ステムの応力解析

E.2 大腿骨ステムのカスタム化に対する機械的性質の考え方
ステムの強度低下の懸念に比べて、最適化による応力集中の減少による効果の方が大きくなる。
近位部での骨形状に最適化のための形状付与では、(E-1)式の断面係数 Z が増加するため、強度低下の懸念はない。また、ネック長・頚体角・前捻角の変化に伴うレバーアーム S の変化(⊿S)は小さいので、強度の低下はない。つまり、最適化による応力集中の減少の効果の方が大きく、トータルとして力学的安全性は増大する。骨形状の最適化に伴う表面処理領域の最適化では、近位での固定性が増加し、通常、強度の低下はない。遠位径の増大は、(E-1)式の断面係数 Z が増加し、強度の低下は生じない。長さの増減は、近位側で固定されるため、遠位部長さの最適化による強度の低下は生じない。大腿骨ステムの曲率の影響は、図 E.2 に示した応力集中係数と曲率の関係図を用いることで評価できる。曲率が、1~3 m であるため R/d(100~300)が大きくなり、応力集中係数は 1 となり、曲率の変化による影響はほとんどない。大転子固定用穴の追加は、骨との固定のためで、穴は断面係数 Z の大きい部分であり、強度の低下に比べて固定性の増加による力学的安定性の方が増大する。さらに、遠位部の横止スクリュー穴位置の最適化では、応力集中の減少効果の方が大きく、強度低下の懸念はない。

図 E.2 大腿骨ステムの曲率の最適化の影響(6)

E.3 大腿骨ステムの耐久性試験
大腿骨ステムの耐久性試験は、例えば、ISO 7206-4 に準じて行うことができる。ステムの固定は、図 E.3 に示すように固定角度K(内転角)として 9 度、L(屈曲角)として 10 度、固定位置として 0.4CT (CT:骨頭中心からステム先端までの距離)の位置まで、骨セメント固定或いは機械的に固定できる。試験波形としては、サイン波を用い、荷重比(最小荷重/最大荷重)=0.1、周波数:3 Hz 程度の条件が推奨される。ステムの耐久性試験結果を図 E.4 に示す。縦軸に最大荷重、横軸に破断までの繰り返し数を対数表示した L-N 曲線を用いてステムの耐久性が比較できる。L-N 曲線から得られる耐久限を許容荷重(使用体重の 2 倍程度)と比較し、この差が大きいほど安全率の高いステムとなる。

図 E.3 ステムの固定方法
図 E.4 ステムの耐久性試験結果

E.4 素材の疲労強度とステムの耐久性の関係
図 E.1 に示したようにステムに圧縮曲げ荷重が作用することで、ステムの中心から外側で引張り応力が、内側で圧縮応力が発生し、それらの応力は、ステム表面で最大となる。(E-1)式の最大引張り応力が素材の疲労強度を超えたときにステム表面に疲労き裂が発生し、反対側に向かって伝播し、最終的にステムの破壊に至る。ステムの曲げモーメント(M)とステム表面での最大応力 (4max)の間には、(E-1)式の関係が成り立つ。図 E.4 に示した耐久性試験結果から(E-1)式を用いて算出した最大応力(4max)とステムから採取した試験片の疲労特性(S-N 曲線)を図 E.5 に示す。破断位置での断面係数 Z は、製品 A ステム(VerSysHA/TCP ファイバーメタル ミッドコートカラーステム、Ti-6Al-4V 合金)で 156、製品 B(AML プラス大腿骨コンポーネントビーズコート、Co-Cr-Mo 合金)で 290、製品 C(オステオニクススーパーセキュアフィット HA ステム、Ti-6Al-4V 合金)で 270 である。また、耐久性試験結果とステム素材の疲労強度との間の関係式を検討するため、最小直径 4 mm の砂時計タイプの丸棒試験片を人工股関節ステムから切り出し、応力比(最小応力/ 最大応力)=0.1、10 Hz のサイン波を用い JIS T 0309 に準じて疲労試験を行った。製品 A のステムでは、この 4max は、ステムから採取した試験片の S-N 曲線と比較的良く一致している。製品 B のビーズコートステムでは、4max がステム採取試験片の S-N 曲線に比べ、応力集中の影響により僅かに低く、応力集中因子 K は、おおよそ 0.8 となる。製品 C のプラズマコートステムでは、プラズマ処理による影響でこの差はさらに大きくなり、応力集中因子 K は、おおよそ 0.6 となる。このようにカスタム化においては、製品の耐久性と素材の疲労強度のデータを取得し、(E-1)式の応力集中因子などのパラメータを把握することが効果的となる。

図 E.5 耐久性に及ぼす応力集中の影響

E.5 大腿骨ステムの小型化
大腿骨ステムのステム径を細くする必要がある場合には、(E-1)式の断面係数Zの減少の程度と素材の疲労強度 4max から強度低下の懸念の有無を検討できる。以下に、大腿骨ステムを小型化する場合に有用となる考え方を示す。
(1) 金属材料素材と素材の疲労特性の関係
ステム径を細くする場合には、(E-1)式の疲労強度 4max を向上させることが重要となるため、金属材料素材と疲労特性の関係を図 E.6 に示す。ステンレス鋼においては、クロム(Cr)やモリブデン(Mo)などの元素の量を増加することで、耐食性と生体適合性が向上する。また、溶体化(固溶化) 処理に比べ、窒素(N)の添加および 20%冷間加工を加えるとチタン(Ti)合金と同レベルの疲労強度を達成できる。コバルトクロムモリブデン(Co-28Cr-6Mo)合金では、型鍛造技術などにより、素材の疲労強度と製品の耐久性が著しく向上する。
ステンレス鋼とコバルトクロムモリブデン合金に比べて、生体適合性が優れる工業用チタン材料では、酸素(O)や鉄(Fe)などの微量元素の増加に伴い、疲労強度は増加し、4 種純 Ti では、20% 冷間加工を加えることで、Ti 合金の疲労強度に近づく。Ti 合金では、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などを添加することで、工業用純 Ti に比べ、耐食性と生体適合性が高くなる。さらに、熱処理(過時効処理など)や熱間鍛造プロセスの条件を僅かに変化させることで、素材の疲労特性は、かなり増加する。

図 E.6 素材と疲労特性の関係

(2)金属材料素材の疲労特性の測定例
(E-1)式の疲労強度4max を把握するため、最小直径 4.5 mm の砂時計タイプの丸棒試験片を用い、応力比(最小応力/最大応力)=0.1、10 Hz のサイン波を用い、JIS T 0309 に準じて測定した S-N 曲線を図 E.7 に示す。熱処理(過時効処理など)や熱間鍛造プロセスにより、疲労強度4max が向上することがわかる。

図 E.7 素材の疲労特性の測定例

(3)大腿骨ステムの小型化に対する考え方
図 E.7 に示した金属材料素材の 107 回疲労強度4max と現在認可されている最小サイズでのステム形状を用いて、算出した最小ステムでの耐久性 (予測例)を図 E.8 に示す。縦軸の最大荷重(Pmax、
N)は、(107 回素材の疲労強度4max)・Z/S で算出され、S は、レバーアームとなる。ディピュー社製 S-ROM(Ti-6Al-4V 合金製、ステム長:115 mm、近位径:12 mm、遠位径:6 mm)、ジンマー社製 HA-TCP(Ti-6Al-4V 合金製、ステム長:110 mm、遠位径:9 mm)、ジンマー社製 CTP(Co-28Cr-6Mo 合金製、ステム長:85 mm、長さ:8 mm、幅:7 mm)のいずれの最小ステム(全てスムーズ表面で応力集中因子 K=1)で優れた耐久性を示すことが予測でき、疲労強度の高い素材を用いることで、小さいサイズのカスタム化が可能であることがわかる。
以上のように(E-1)式を用いることで、金属材料素材の 107 回疲労強度4max とカスタムメイド大腿骨ステムの形状からカスタムメイド大腿骨ステムの耐久性が予測でき、医師の判断根拠およびカスタム製品を使用する患者への説明の根拠に有用となる。

図 E.8 最小ステムサイズでの耐久性の計算例

E.6 熱弾性応力測定による(E-1)式の妥当性の検証
熱弾性応力測定(赤外線サーモグラフィ)の原理を次に示す。弾性変形による熱弾性効果においては、Kelven の法則⊿4=-⊿T/(k・T)が成り立ち、k=K/(?・Cp)となる(7)。
ここで、⊿4:主応力和の変動(Pa)、⊿T:温度変動(K)、k:熱弾性係数(1/Pa)、T:物体の温度(K)、 K:線膨張係数(1/K)、?:密度(kg/m3)、Cp:定圧比熱(J/(kg・K))となる。繰り返し荷重を負荷した状態で赤外線サーモグラフィにより、温度変動⊿T を計測し、主応力の和⊿4〔⊿ (41+42)〕を算出する。熱弾性係数の目安としては、ステンレス鋼:3.99×10-12、コバルトクロム合金:3.13×10-12、工業用純チタン Ti:3.58×10-12、Ti-6Al-4V 合金:3.83×10-12、Ti-15Zr-4Nb-4Ta 合金: 3.44×10-12 Pa が参考となる。線膨張係数としては、ステンレス鋼:15.2×10-6、コバルトクロム合金:11.7×10-6、工業用純チタン Ti:8.4×10-6、Ti-6Al-4V 合金:8.8×10-6、Ti-15Zr-4Nb-4Ta 合金:8.0×10-6(1/K)、密度としては、ステンレス鋼:7.95×103、コバルトクロム合金:8.34×103、工業用純チタン Ti:4.51×103、Ti-6Al-4V 合金:4.42×103、Ti-15Zr-4Nb-4Ta 合金:5.00×103 kg/m3、比熱としては、ステンレス鋼:0.48×103、コバルトクロム合金:0.45×103、工業用純チタン Ti および Ti-6Al-4V 合金のいずれも 0.52×103、Ti-15Zr-4Nb-4Ta 合金:0.47×103 J/(kg・K)が参考となる。
熱弾性応力測定(赤外線応力測定)により、圧縮曲げ試験により耐久性試験中にステム表面に発生する4maxの実測値(圧縮応力および引張応力)は、(E-1)式ら算出された4maxにほぼ等しかった(図E.9 参照)。

図 E.9 赤外線応力測定結果と耐久性試験結果からの力学計算結果の比較参考文献
(1) 立石哲也,「バイオメカニクス-機械工学と生物・医学の融合-」,株式会社オーム社,2010
(2) Albert H.Burstein,Timothe M.Wright,(訳:黒沢秀樹ほか),「整形外科基礎バイオメカニクス」,株式会社南江堂,1997
(3) 社団法人日本機械学会,機械工学便覧基礎編 A4 材料力学新版,2003
(4) 岡崎義光,「人工股関節ステムの耐久性評価方法」,日本人工関節学会誌,第 40 巻,P.530
(5) Yoshimitsu Okazaki, Emiko Gotoh: Comparison of fatigue strengths of biocompatible Ti-15Zr-4Nb-4Ta alloy and other titanium materials, Materials Science and Engineering: C, 31(2011):325-333
(6) R. E. Peterson: Stress Concentration Design Factors, John Wiley & Sons, INC., New York, p.36.
(7) NDIS 3425 熱弾性応力測定法,日本非破壊検査協会,2008

引用関連規格

3. 引用規格
これらの引用規格は、その最新版を適応する。関連規格として示した類似規格を用いてもよい。
(1)平成 21 年 3 月 6 日 薬食機発 0306001 号「人工股関節の審査ガイドライン」
(2) JIS T 0309 金属系生体材料の疲労試験方法
(3) JIS T 7401-1 外科インプラント用チタン材料-第 1 部:チタン
(4) JIS T 7401-2 外科インプラント用チタン材料-第 2 部:Ti-6Al-4V 合金展伸材
(5) JIS T 7401-3 外科インプラント用チタン材料-第 3 部:Ti-6Al-2Nb-1Ta 合金展伸材
(6) JIS T 7401-4 外科インプラント用チタン材料-第 4 部:Ti-15Zr-4Nb-4Ta 合金展伸材
(7) JIS T 7401-6 外科インプラント用チタン材料-第 6 部:Ti-15Mo-5Zr-3Al 合金展伸材
(8) JIS T 7403-1 外科インプラント用鉄基合金-第 1 部:ステンレス鋼
(9) JIS T 7403-2 外科インプラント用鉄基合金-第 2 部:高窒素ステンレス鋼
(10) JIS T 0302 金属系生体材料のアノード分極試験による耐食性の評価方法
(11) JIS T 0304 金属系生体材料の溶出試験方法
(12) JIS T 0306 金属系生体材料の不動態皮膜のX線光電子分光法(XPS)による状態分析
(13) ISO 16428 Implants for surgery - Test solutions and environmental conditions for static and dynamic corrosion tests on implantable materials and medical devices
(14) ISO 16429 Implants for surgery - Measurements of open-circuit potential to assess corrosion behavior of metallic implantable materials and medical devices over extended time periods

関連通知
(1) 平成 16 年 11 月 15 日付け医療機器審査 No.19 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審
査管理室事務連絡別添の「医療用具の製造(輸入)承認申請書における原材料記載について」
(2) 平成 12 年 3 月 28 日付け医薬審第 526 号 厚生省医薬安全局審査管理課長通知「整形インプラント製品の承認申請に係る取扱いについて」
(3) 平成 12 年 12 月 28 日付け医療機器審査 No.29 厚生省医薬安全局審査管理課事務連絡「整形インプラント製品の承認申請に係る取扱いに関する Q&A について」
(4) 平成 17 年 2 月 16 日付け薬食機発第 0216001 号 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「医療機器の製造販売承認申請に際し留意すべき事項について」
(5) 平成 17 年 2 月 16 日付け薬食機発第 0216003 号 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「医療機器の製造販売承認申請書添付資料概要作成の手引きについて」
(6) 平成 17 年 3 月 31 日付け薬食発第 0331038 号 厚生労働省医薬食品局長通知「医療機器の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令の施行について」
(7) 平成 15 年 2 月 13 日付け医薬審発第 0213001 号 厚生労働省医薬局審査管理課長通知「医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的安全性試験の基本的考え方について」
(8) 平成 15 年 3 月 19 日付け医療機器審査 No.36 厚生労働省医薬局審査管理課事務連絡「生物学的安全性試験の基本的考え方に関する参考資料について」
(9) 平成 20 年 10 月 8 日 薬食機発第 1008001 号「整形インプラント製品の承認申請に際し添付すべき臨床試験の試験成績に関する資料の取り扱いについて」
(10) 平成 20 年 8 月 4 日 薬食機発第 0804001 号「医療機器に関する臨床試験データの必要な範囲について」
(11) 平成 21 年 3 月 6 日 薬食機発 0306001 号「人工股関節の審査ガイドライン」
関連する開発ガイドライン
(1) 体内埋め込み型材料分野(次世代(高機能)人工股関節)開発ガイドライン 2008
(2) 体内埋め込み型材料分野(ハイブリッド型人工骨・骨補填材)開発ガイドライン 2008
(3) 体内埋め込み型材料分野(カスタムメイド骨接合材料)開発ガイドライン 2010
関連規格
耐食性および機械的試験関連
(1) JIS Z 2241,金属材料引張試験方法
(2) JIS G 0577,ステンレス鋼の孔食電位測定方法
(3) TS T 0013,数値シミュレーションによる金属製人工こ(股)関節大たい(腿)骨ステムの疲労強度評価方法
(4) JIS T 0305,擬似体液中での異種金属間接触腐食試験方法
(5) JIS Z 2244,ビッカーズ硬さ試験-試験方法
(6) JIS Z 2245,ロックウェル硬さ試験-試験方法
(7) ISO 6475,Implants for surgery -- Metal bone screws with asymmetrical thread and spherical under-surface -- Mechanical requirements and test methods
(8) ISO 6892,Metallic materials-Tensile testing at ambient temperature
(9) ISO 9585,Implants for surgery -- Determination of bending strength and stiffness of bone plates
(10) ASTM E8 / E8M,Standard Test Methods for Tension Testing of Metallic Materials
(11) ASTM F382,Standard Specification and Test Method for Metallic Bone Plates
(12) ASTM F384,Standard Specifications and Test Methods for Metallic Angled Orthopedic Fracture Fixation Devices
(13) ASTM F543,Standard Specification and Test Methods for Metallic Medical Bone Screws
(14) ASTM F2180,Standard Specification for Metallic Implantable Strands and Cables
(15) ISO 21535,Non-active surgical implants -- Joint replacement implants -- Specific requirements for hip-joint replacement implants
(16) ISO 7206-1~8,Implants for surgery -- Partial and total hip joint prostheses
(17) ISO 14242-1~7,Implants for surgery -- Wear of total hip-joint prostheses
(18) ISO 5838-1,Implants for surgery -- Skeletal pins and wires -- Part 1: Material and mechanical requirements
(19) ASTM F366,Standard Specification for Fixation Pins and Wires
(20) ISO 8827,Implants for surgery -- Staples with parallel legs for orthopaedic use -- General requirements
(21) ASTM E8/E8M,Standard Test Methods for Tension Testing of Metallic Materials (22) ISO 6507-1~4,Metallic materials -- Vickers hardness test

生物学的試験関連
(1) ISO 10993-1,Biological evaluation of medical devices -- Part 1: Evaluation and testing within a risk management process
(2) ISO 10993-2,Biological evaluation of medical devices -- Part 2: Animal welfare requirements
(3) ISO 10993-3,Biological evaluation of medical devices -- Part 3: Tests for genotoxicity, carcinogenicity and reproductive toxicity
(4) ISO 10993-4,Biological evaluation of medical devices -- Part 4: Selection of tests for interactions with blood
(5) ISO 10993-5,Biological evaluation of medical devices -- Part 5: Tests for in vitro cytotoxicity
(6) ISO 10993-6,Biological evaluation of medical devices -- Part 6: Tests for local effects after implantation
(7) ISO 10993-7,Biological evaluation of medical devices -- Part 7: Ethylene oxide sterilization residuals
(8) ISO 10993-9,Biological evaluation of medical devices -- Part 9: Framework for identification and quantification of potential degradation products
(9) ISO 10993-10,Biological evaluation of medical devices -- Part 10: Tests for irritation and delayed-type hypersensitivity
(10) ISO 10993-11,Biological evaluation of medical devices -- Part 11: Tests for systemic toxicity
(11) ISO 10993-12,Biological evaluation of medical devices -- Part 12: Sample preparation and reference materials
(12) ISO 10993-13,Biological evaluation of medical devices -- Part 13: Identification and quantification of degradation products from polymeric medical devices
(13) ISO 10993-14,Biological evaluation of medical devices -- Part 14: Identification and quantification of degradation products from ceramics
(14) ISO 10993-15,Biological evaluation of medical devices -- Part 15: Identification and quantification of degradation products from metals and alloys
(15) ISO 10993-16,Biological evaluation of medical devices -- Part 16: Toxicokinetic study design for degradation products and leachables
(16) ISO 10993-17,Biological evaluation of medical devices -- Part 17: Establishment of allowable limits for leachable substances
(17) ISO 10993-18,Biological evaluation of medical devices -- Part 18: Chemical characterization of materials
(18) JIS T 0993-1,医療機器の生物学的評価T第 1 部: 評価および試験
(19) JIS T 0301,金属系インプラント材料の細胞適合性評価方法
(20) TS T 0011,骨組織の薄切標本の作製方法
(21) ASTM F1350,Standard Specification for Wrought 18Chromium-14Nickel-2.5 Molybdenum Stainless Steel Surgical Fixation Wire (UNS S31673)
(22) ASTM F1537,Specification for Wrought Cobalt-28Chromium-6Molybdenum Alloys for Surgical
Implants (UNS R31537, UNS R31538, and UNS R31539)
金属材料関連
(1) JIS G 4303,ステンレス鋼棒
(2) JIS G 4305,冷間圧延ステンレス鋼板および鋼帯
(3) JIS G 4308,ステンレス鋼線材
(4) JIS G 4309,ステンレス鋼線
(5) JIS G 4314,ばね用ステンレス鋼線
(6) JIS G 4315,冷間圧造用ステンレス鋼線
(7) JIS H 4600,チタンおよびチタン合金T板および条
(8) JIS H 4650,チタンおよびチタン合金T棒
(9) JIS H 4670,チタンおよびチタン合金T線
(10) ISO 5832-1,Implants for surgery -- Metallic materials -- Part 1: Wrought stainless steel
(11) ISO 5832-2,Implants for surgery -- Metallic materials -- Part 2: Unalloyed titanium
(12) ISO 5832-3,Implants for surgery -- Metallic materials -- Part 3: Wrought titanium 6-aluminium
4-vanadium alloy
(13) ISO 5832-11,Implants for surgery -- Metallic materials -- Part 11: Wrought titanium 6-aluminium 7-niobium alloy
(14) ISO 7153-1, Surgical instruments -- Metallic materials -- Part 1: Stainless steel
(15) ASTM A276,Standard Specification for Stainless Steel Bars and Shapes
(16) ASTM F67,Standard Specification for Unalloyed Titanium for Surgical Implant Applications (UNS
R50250, UNS R50400, UNS R50550, UNS R50700)
(17) ASTM F75,Standard Specification for Cobalt-28Chromium-6 Molybdenum Alloy Castings and Casting Alloy for Surgical Implants (UNS R30075)
(18) ASTM F90,Standard Specification for Wrought Cobalt-20Chtomium-15Tungsten-
10Nickel Alloy for Surgical implant Applications (UNS R30605)
(19) ASTM F136,Standard Specification for Wrought Titanium-6Aluminum-4Vanadium ELI (Extra Low Interstitial) Alloy for Surgical Implant Applications (UNS R56401)
(20) ASTM F138,Standard Specification for Wrought 18Chromium-14Nickel-2.5
Molybdenum Stainless Steel Bar and Wire for Surgical Implants (UNS S31673)
(21) ASTM F139,Standard Specification for Wrought 18Chromium-14Nickel-2.5
Molybdenum Stainless Steel Sheet and Strip for Surgical Implants (UNS S31673)
(22) ASTM F620,Standard Specification for Alpha Plus Beta Titanium Alloy Forgings for Surgical Implants
(23) ASTM F621,Standard Specification for Stainless Steel Forgings for Surgical Implants
(24) ASTM F648,Standard Specification for Ultra-High-Molecular-Weight Polyethylene Powder and
Fabricated Form for Surgical Implants
(25) ASTM F799,Standard Specification for Cobalt-28Chromium-6Molybdenum Alloy Forgings for Surgical Implants (UNS R31537, R31538, R31539)
(26) ASTM F1091,Standard Specification for Wrought Cobalt-20Chromium-15tungsten
-10Nickel Alloy Surgical Fixation Wire (UNS R30605)
(27) ASTM F1314,Standard Specification for Wrought Nitrogen Strengthened
22Chromium-13Nickel-5Manganese-2.5Molybdenum Stainless Steel Alloy Bar and Wire for Surgical Implants (UNS S20910)
(28) ASTM F1472,Standard Specification for Wrought Titanium-6Aluminum-4Vanadium Alloy for Surgical Implant Applications (UNS R56400)

国内関連GL

海外関連GL

WG開始年月

WG終了年月

WGメンバー

座長 勝呂 徹  東邦大学 医学部 整形外科学 主任教授
伊藤 由美   日本ストライカー株式会社 マーケットデベロップメント薬事開発本部 部長
上野 勝  日本メディカルマテリアル株式会社 研究部 責任者
大谷 卓也   東京慈恵会医科大学 整形外科学講座 准教授
齋藤 知行  横浜市立大学大学院 医学研究科 運動器病態学 教授
佐藤 徹   株式会社オーミック 常務取締役
神野 哲也   東京医科歯科大学 医学部附属病院 整形外科 講師
住谷 健二  瑞穂医科工業株式会社 開発部 インプラント製品開発チーフマネジャー
土居 憲司  ナカシマメディカル株式会社 取締役兼開発部長
久森 紀之  上智大学 理工学部 機能創造理工学科 准教授
松下 隆  帝京大学 医学部 整形外科 主任教授
山本 謙吾  東京医科大学 整形外科 主任教授
龍 順之助  日本大学 総合科学研究所 整形外科 教授
若林 尚伸  バイオメット・ジャパン株式会社 研究開発部 部長

報告書(PDF)

2012-E-DE-015-H22-報告書

報告書要旨(最新年)

承認済み製品(日本)

承認済み製品(海外)

製品開発状況

Horizon Scanning Report